02 母よ
※震える指先の続き
「お前が間もなく上忍に任命されるとの話が出ている」
「そこで、お前には一つ任務を与えたい」
言いにくそうに放たれた言葉は無駄が多く、私を試しているのだろうということはすぐに理解できた。求められているのは絶対的な従ではない。ただうちはの忍として成すべきことを成せというこの独特な圧力。いい加減、にしてくれ
「承知しています」
母よ
写輪眼を持たぬうちはの私は今の木ノ葉と一族の緊張状態の中で警戒されにくい身として、とある任務を任された。ここで重要なことは任務の内容ではない。私が、うちは一族側に明確に立ったことだ
「上忍への昇格おめでとう。これから忙しくなるわね」
父と共に一族の会議に行くようになってから一週間。上忍の昇格が決まり家に帰ると母が私の目を見ずにそう言った
「…言いたいことがあるなら言ってよ」
「何も」
(何も、って)
「明日、から長期任務に入るから。しばらく家には帰らない」
「帰らないって、あなた一族の任務は」
「そっちはもっと有能な一族の忍に任せておけばいいから」
「任せてって…あなたも任務に加わった身でしょ。ここを離れるにしてもその言い方は責任感が足りないんじゃないの」
「元から期待されてないよ」
「ナマエ、」
「心配しなくても任務が終わり次第ちゃんと一族の会議にも参加する。私だって、一族の復興は大切だよ」
足早に自室に戻り目を瞑る
(嘘を、)
嘘をついた
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