10 そっと、きゅっと
(※)さぁね の続き
段々とイタチさんが遠くなる。元より遠い人がこれ以上離れる、その意味を私は知っている
「ナマエ…」
イタチさんが私を呼ぶ。ただ安堵を求めて。私はゆっくりと近寄って、石の椅子に座るイタチさんを抱き締める。知っている。これは最後だと
「すぐ近くで、ちゃんと見てますから…」
もうすぐここにはサスケが来る。イタチさんを殺しに
(もはや止める術はない。イタチさんは、殺されることを望んでいる)
ずっと、この9年、イタチさんについていて、私にはこの人がうちはの皆を虐殺したのかが単にイタチさんの独望ではないことが分かった。決して言ってくれないけど、多分イタチさんはこの時の為に生きてきたんだね
(だから、ただ見守ることしか出来ないけど)
「もう少しだよ…イタチさん」
そっと、きゅっと
(私は最後だね、って笑うから)
(泣いてもいいよ)
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