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最後の答え、

※祭の夜、浴衣の夜の後くらい

「僕はここにくる前確かに林檎飴を買ってくれとはいった。いったけど、それ以外はいってない筈…」
「いーたん?余所見してると迷子になるぞ」
「手繋いでるこの状態でどう迷えるの」
カラカラと下駄を鳴らして零崎についていく。
手を繋いでない方の手には大きな赤い林檎飴と、手首にビニール袋が3つ引っかかっている。中にはたこ焼きとお好み焼き、フルーツ飴が数個と「はしまき」という初めてみる食べ物。
手首にかかる負担がつらい。絶対痕ついてる…

人混みもすごくなってきたし、もう何周かした。

「零崎、もういいだろ。帰ろうよ」
「もーちょい!」
「まだ何か食べたいのか?」
「タピオカジュースが飲みたい」
「……わかったよ。だけど、それ買ったら帰ろうね」
「おっけー!かはは、タピオカタピオカ♪」

そんなに好きなのかと聞こうと思った時、前から来る人の大群に飲まれてしまった。

「げっ!ち、いーたん!」

ぎゅっと零崎が手を強く握る。今ここで手を離したら確実にはぐれて迷子だ。
それだけじゃない何かもあって、手を離したく無かった。僕も強く握り返す。


努力は虚しく、大波にのまれて僕らは手を離してしまった。
背の低い零崎だから、どこにいるかわからない上に僕も逆流に流され少し後ろに行ってしまった。

「まずった…僕今携帯持ってないんだ…」

それよりも。
零崎と手を繋いでいた手をみる。

離したくないのに周りに離されてしまった。
『それじゃない何か』はこれか。


男同士なんて、世間は認めていない。海外は割と緩いけど、今の日本では冷たい眼で見られるだけだ。
今の所、僕の周りにはそういう人いないけど。

周りに引き剥がされる事もある。
そういう事だって考えておかなきゃいけない。
そうなったら、僕はどうするんだろう。
零崎は、どうするんだろう…?


「っはぁ!!」


眺めていた僕の手をぎゅっと掴んで、息を整えるのに深呼吸する零崎。

「わりぃ、遅くなった。下駄って結構動きにくい」
「……よく僕を見つけたね」
「かはっ、言っただろ、どんだけ人が一杯いたって、お前がどこにいるかならすぐ解るって。」

にやりと笑って手をまた強く握られる。

「…お前なら、そうするだろうな。」
「ん?」
「何でもないよ。さあ、ジュースかいにいこう」

零崎なら何度だって僕を見つけて、またこうやって手を繋ぐんだろう。

なら僕は。


「ん?何なに恋人繋ぎってやつ?」
「戯言いうなよ。またはぐれたら嫌だからさ」


その手をこうやって強く握り返せばいいんだろう。












「いーたんこれタピオカはいってない!」
「?入ってるじゃん沢山」
「これ氷!!」
「この茶色いのがそうだって!!」







↑のおまけ的なのは女子高生が言ってたのをちょっといじくって書きました(笑)
こんな話書きたかったからかけて良かったです。ちゃんと締めれた…のか…?
締めれたということで!(笑)
一年越しに続きを書くとは思わなくて、こういうの楽しいと思いました。

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あきゅろす。
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