愛犬の悪あがき 「さあ!」 「………」 「さあ!」 「………えー」 零崎に迫られて数分、手には犬耳のカチューシャ。 零崎曰わく「5月13日は愛犬の日」らしく、そのせいなのか犬耳をつけろと意味の分からない事をいわれ今に至る。 …すっごい眼キラキラしてる。 こいつは僕に何を期待してんだ?わんこキャラは崩子ちゃんだった筈なんだが。 とりあえず。 「やだ」 「なんで!!」 えー、なんでこんなに本気なんだよ… 「そんなにかけたいんなら自分でかければいいだろ」 カチューシャを奪って零崎につけてみる。おお、意外と似合う。 最初ぽかんとしていた零崎だが、入れ墨を歪めてにやにや笑った。 「ほんとはいーたんにつけてもらいたかったけど、これはこれでいいな。」 「は?」 「ほら自称犬好きの俺だからさ、いーたんが犬耳付けたらすごいことになっちゃうんじゃないかとか考えてた訳」 「は」 「でも、俺が犬なら話は別だな」 にんやり笑って真っ赤な舌をだす。 嫌な予感がした。 べろりと耳の縁を舐められて耳たぶを軽く噛まれる。 「んっ」 「かはは、犬だから舐めるぞ」 「い、いみわかんな、あっ」 今度は首筋に頭を埋めて遠慮なしに舐めまくる零崎の頭をひっぺがして、頭のカチューシャをとった。 「ん、なに?犬希望?」 「んなわけあるかっ」 「じゃあ獣姦希望?」 「ばかか!」 まあまあ、と零崎はカチューシャを奪って僕の頭につける。 零崎の動きが止まった。 「零崎…?」 「やばい」 「は?」 「えろい」 「は」 「ほんっと可愛い」 「いや、零崎サン?ちょっ」 「続きしていいか?」 「んっ」 耳元で言うなんて反則だ。 零崎に犬耳をつけた時点で僕の負け。 いや、付けなくたって僕がつけたらこうなるんだから…ってことはどうしたって僕の負けじゃないか。もしかして最初から誘導されてた? ちくしょうあり得るぞ。 悔しくなったと言うか、悪戯したくなったというか。要は最後の悪あがきなのだが。 僕は零崎の頭を両手で固定して思い切り深く口づけた。無造作に舌をつっこんで絡めて、最後に濡れた唇を舐めて一言。 「わん」 所詮、 負け犬の遠吠え 続きかきたい… 5/13、悠ちゃんと一緒に零僕祭! [*前へ][次へ#] |