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ラムネの夜
「ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃ〜ちゃらちゃっちゃっちゃらっちゃ〜」
「………」
「僕は〜それを左へ受け流す〜」
「………」
「つっこめよ」
「懐かしいね」
「な。俺あの歌好きだったんだけどなー」


腰にタオルを巻いて、人の入浴に乱入してきた零崎。手にもった瓶をマイク代わりに歌いながらの登場だった。

「なんでいつも僕が入ってる時にくるんだよ。狭くなるからやめろ」
「僕は〜それを左へ受け流す〜」
「うまくねぇよ。受けとめろ現実を」
「1人ではいってもつまんねぇだろ?語らおうぜ」
「僕あついからあがる」
「そういうと思って」

ほれ。

笑顔で見せた元マイクの瓶2本。


「風呂ラムネしようぜ」

ラムネらしかった。瓶のビー玉を落とし、僕に片方を渡す。

「かはは、ラムネなんて久しぶり」
「僕も」
「今色んな味あるよな。メロンとかいちごとかさ。かき氷みてえ」
「僕はかき氷断絶いちご派だね」
「俺ブルーハワイ」
「だと思ったよ」
「あ、梅も割とうまかった」
「そんな味あるの…?」
「あるよ。葡萄とかダブルベリーとかも食ったことある」
「甘党」
「京都夏暑いんだよ」

栓が抜けたように、また尽きない話が始まる。

零崎が湯船に入ったせいで水かさが増して熱さも増した。

でも、ま。

「とりあえず」
「乾杯!」

きん、と瓶を合わせて。

このラムネを飲み終える位まではつき合ってやろう。


裸の付き合いをしょっちゅうしてればいい。 8/7

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