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あの人を探して*
――翌日


昨日は眠かった。

っていうか、保健室の床でぐっすり眠ったら体が痛い。


あの後保健の先生、放課後まで来なかったし。


生徒も誰も来なかったんだよね。


入学式の日なんて、はしゃいで誰かしら怪我でもしそうなのに。


おかげでたっぷり寝られたけど。


でもそのせいで、あの人が誰か解らない!


えーと、あまり大きな声で言える事じゃないから、言わないけど、私は実は声フェチです。


別に隠している訳じゃないけど…。


で、昨日のあの人…スッゴい好みだった!


あぁなのに、眠気に負けてどこの誰かもチェックし忘れるなんて、不覚だ!


あぁもう、あの人に会いたい!


そして、休まず喋って欲しい!


きっと探し出すんだ!


手がかりは、私を担いで保健室に連れて行った人。


確か名前は…


「樺地!」


そう、樺地さん!


「って、え?」


丁度聞こえて来た声に振り向くと、


「いた―――――――――――――!!」


手がかりがすぐ後ろにいた事に興奮して、思わず指差して叫んでしまった。


探し始めてものの1分。


あっさり見つけました。


日頃の行いがいいってこういう事?


とか思ったけど、実は有名人で、「樺地」という名前を聞けば誰でも解る、と小学生から氷帝学園に通うクラスメイトに教えてもらうのは後の話。

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