出会い…は、まだ*
遠くで人の気配がする。
ざわざわと、私の世界から切り放される。
ああ、このまま眠ったら気持ちよく眠れるなぁ。
…って思っていたのに、すぐ近くの茂みが音を立てた。
「…何だコレは」
あんたが何だだよ。
こんな茂みの中に普通人は来ないでしょう?
「こんな所で寝る奴がジロー以外にいるとはな。
こんなもの見つけちまったのはお前のせいだぞ」
「んな事言ったって、近道やもん。
式に遅れるから近道教えろ言うたのはそっちやん」
「そもそも遅れそうになったのは、お前が新入生の脚をチェックなんかしてたからだろうが。
チッ見つけちまったら仕方ねー。
おい、樺地、とりあえず保健室に放り込んでこい」
「ウス」
そのまま、樺地…さん?の肩に担がれて連れて行かれた。
目を閉じて半分眠っていた私はそのまま、成り行きに任せて保健室まで連れて行ってもらいました。
ありがとう、知らない人。
保健室のベッドでこのまま1日ゆっくり眠らせてもらいます。
…本当に保健室の床に放り出して行かれた事は、根に持ってないよ。
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