Pandora Box
 


 気になる?気にならない!
 メア・ジュノーの匣事情!

 グロの部屋で奇妙な光景が見られた。テーブルの上で彫刻のように動かない雨ハシビロコウと、それを眺めるグロとメア。

「グア」
「ハシビロコウさん可愛いですよね」
「お前の感覚は狂っている」
「なんでー可愛いじゃないですか。ねえ」
「グ」
「えーッ、ちょっ二人とも!その鳥なに!?なにそれ!」

 その光景を見かけたジンジャーは興味津々でハシビロコウに近付いた。

「私の匣兵器ですよ。雨ハシビロコウさんです」
「ハシロビ…?なんかすっごい…厳つい鳥だね」
「だろう。もっとこう…夢小説の主人公ならば…猫とかウサギとか可愛い動物が兵器だろうに」
「蜘蛛とイカに言われたくないですね」
「なっ蜘蛛だって可愛いよ!そりゃ能力はちょっとグロいけど」
「私の雨巨大イカだって可愛いではないか!ああ見えて照れ屋さんなんだぞ!あと触手がエロいし、パイレーシオブカリビアソのクラーケンみたいじゃないか」
「ハシビロコウさんだって最近は人気なんですから。この鋭い目つきをご覧なさいよ」

 各自一通り思い思いの私の匣兵器自慢を続けた。途中開匣され登場した雨巨大イカと晴グモは、主人たちに呆れて雨ハシビロコウとともに部屋の隅で遊んでいる。

「ところで、あのハシビロコウの能力はなんなのだ?」
「さあ?」
「自分ら知らないの?」
「実は以前、戦闘の機会があったんですが、結局能力はわからずじまいで」
「今試してみろ」
「はあ。ハシビロコウさん」
「グア」

 部屋の隅からこちらを見たものの、ハシビロコウは動こうとはしない。ただのハシビロコウのようだ。

「…ああいう能力じゃないんですか」
「ああ、そっくりだよ主も匣も」
「そんなわけないだろう!もっと他にあるはずだ、お前の右手と合体して『キールロワイヤル!』とか」
「いたっ」
「あっ、す、すまない、大丈夫か」

 少し興奮してグロが手を振りかざせば、それがメアの頬に接触してしまい少し切れた。少し血が滴る。

「大丈夫ですよこれくらい」
「しかし…」
「ん?ハシロビロの様子が…」

 ハシビロコウと言えないジンジャーが、こちらに羽ばたくハシビロコウに気付いた。その鋭い眼光の先は、メアの頬の傷。ハシビロコウの眼が一瞬青い炎をまとった時、頬の傷の出血は止まった。

「…痛みも消えましたね」
「そっか、雨の特性は『鎮静』」
「痛みと出血を鎮める力があるみたいだな」
「凄いですねハシビロコウさん。
 そうだ、名前つけてあげましょう。灯油、なんていかがです?」
「蟻の脳みそほどもないネーミングだな。ナプキンなんてどうだ」
「気持ち悪いこの奇怪で異様な名前。僕はテスタロッサがいいと思うな」
「なんだとこの甘い甘い同人生姜パン野郎!じゃあローターだ!」
「ふざけろ!ビロビロハシの名前は白井黒子でこの話は終わりだ!エログロギシギシアンアン野郎!」
「まあまあ落ち着いて下さい二人とも」
「ぐぐうこいつの名前は変換出来るから何も言えないのが悔しい…」
「これは隊長に同意をせざるを得ないよ」
「名前変換!そうですよ名前変換を使えば良いんですよ!このハシビロコウさんの名前は##name3##で決定です」
「読んで下さっている方に名前を委ねるわけだな。……ん?」
「##name3##の名前変換の設定がされてないんだから変換出来ないよ!おーい!」
「可愛いですね##name3##」
「グァ」
「放っておけ、馬鹿だこいつは」
「だね」

 本当は戦闘シーンを交えつつ能力を説明したかったらしいこの話は、匣の設定に違和感を抱えつつ終わった。もっと早くWikipediaを見れば良かったです。


 


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