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からかい(ミュラ金)

軍議が終わり、カイザーラインハルトは資料を手にしながら席を立った。

(あっ……)

その手から一枚の資料が落ちるのを目にしたミュラーは急いで駆け寄る。

「カイザー資料が…いえ、小官がお取りします!」
「んっ?ああ、すまない」

ミュラーの声に気づいたラインハルトは自ら屈み取ろうとしたのだが、それを慌ててミュラーが制す。

「どうぞ」
「うむ、ありがとう」
「いっ、いえ」

手渡すときに指と指が微かに触れ、ミュラーは耳の辺りが熱くなるのを感じた。

「ミュラー顔が赤いぞ?」
「えっ!?」

特に何を考えての言葉ではなく、ただ目に付いたから指摘しただけなのだが、ミュラーは恥ずかしくなり益々顔を赤くした。

「おや?また赤くなった…大丈夫か?熱でもあるのだろうか?」
「ご心配には及びません、これはっ…ぁっ」

か細い声を上げてミュラーが固まり、先程から事の顛末を横目で見守っていた他の者達も一斉に固まった。



………………なっ!?………………



“コツン”

小さく可愛らしい音が響き、ラインハルトとミュラー2人の額がくっ付いた。


一瞬で静まり返る室内。
誰一人、声を発することも動くことも出来ない。
一様に目を見開き口を開けて…帝国軍人ともあろう男達が、なんとも情けない姿である。


「うーん…そんなに熱はなさそうだが…」
「…うっ…あっ…」

どうやら、この奇異な状況はラインハルトから作り出したようで、額を合わせミュラーの熱を計っているらしい。
だが、皇帝の予測もつかない行動は周りを混乱させた。

(なっ、なっ、なっ、なっ!?こっこれは一体!?カイザーはどういうおつもりで!?……それにしても何と整ったお顔立ちだろうか…ハッ!私は何を……睫、長いな…だっ、だからっ!!…うぅっ…良い匂いまでするー!!!)


グルグル、自分の思考が頭を駆け巡り、バクバク、うるさい心臓の音はラインハルトに聞こえてしまいそうだ。

「んん?急に熱が上がってきたような…それに、何だか汗っぽいぞ、ミュラー?」

ラインハルトが余りにも近くで喋るので、ミュラーの口元に息がかかる。
対して、息をするのも忘れていたミュラーは耐えきれず、その場に倒れ込んだ。

「ミュッ、ミュラー!?やはり体調が優れなかったのだな!!」
「…うぅっ……カッ、カイザー…」


何と言うことだ!!
自分は倒れるまで部下に無理をさせてしまった!!


ラインハルトの考えは“ミュラーがラインハルトのせいで倒れた”と言う意味では正しかったのだが、今回は全く訳が違う。


「予は…予は…部下が倒れるまで働いてくれていることにも気づけないなんて…」

自分の疎かさを悔やみながら、ミュラーを抱き起こそうと手を伸ばしたが


「どうか、お気を確かにマインカイザー」
「ここは小官達にお任せ下さい」


それよりも早く、帝国の双璧が間に割って入った。


「そうか、2人とも頼むぞ」


双璧2人の迅速な行動に自分は本当に良い部下を持ったと感心する。
しかし、その真意が、これ以上ミュラーに良い思いをさせてなるか!と愚かな嫉妬故の行動だと言うことに、鈍いラインハルトは気付けなかった。




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砂金、書きたいなーと思い立ちまして、どうせならミュラーに良い思いさしてやろうかなー…って考えたんだけど、アイツ結構、良い思いしてるもんなー…ハルトに覆い被さったりしてたもんなー…と思ったら、こんな感じになりました。
ミュラーは周りに邪魔されるのがお似合いだと思います^ω^
全員が同志であり好敵手なのです^ω^
結果、蜂山のジェラシー入り乱れの話になりました^∀^
ハルトは昔から姉上やキルヒに額で熱を計って貰っていたので(※妄想)その行為の重大さに気付かないんです。流石に医師は体温計で計ることを知ってい…てもいなくてもハルトのことが好っきやねん!!←





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あきゅろす。
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