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時には甘い夢を見る。(ロイ金)
「もしも、人生をやり直せるとしたら、閣下はどうされますか?」
「何だ?藪から棒に」
政務を終え、報告をしにラインハルトの部屋へ訪れたロイエンタールは、話の延長線であるかのように冒頭の言葉を述べた。
常なら淡々と一日の報告をし去っていく彼だが、今日は違った。
しばらく、部下の顔を見つめてみるが、その表情に此方をからかっている様子はなく、至って真剣だ。
ククク、ラインハルトは静かに笑いを零す。
「卿は意外にロマンチシストだったのだな」
「は?」
上司の言葉の意味が分からず眉をひそめ、ロイエンタールは聞き返した。
「この世に“もしも”などと言う選択肢は存在しないと言うことだ」
「………」
「結果はどうあれ、自身が選択した道を信じて進むしかない」
「閣下はそうされていると?」
「さぁな、俺にも分からん」
「後悔は…ないのですか?」
つい、聞いてしまった。
聞かずにはおれなかった。
「後悔などしても仕様がないことを身に沁みて分かっているだけだ」
自嘲を浮かべ、分かっているだろう?とでも言いたげな視線を向けられる。
「でも、閣下はお持ちですよね…取り戻したい、明日を…」
その視線から目を逸らさず、そう問うと
「……卿の想像に任せよう」
ラインハルトは溜め息と共にそう一言吐き出し。
だが、と続けた。
「…自分が選んだ答えに抗うだけの力は誰も持っていない………卿も…俺も、だ」
この言葉は一体誰に言い聞かせているのか、私か、
それとも貴方か…
その答えを聞くことは叶わなかった。
(時には甘い夢を見てもいいでしょう?所詮夢は夢のままな のだから…)
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黒金はこんな暗い話しか思いつかないのは何故だろう?赤金前提で話が進むのは何故だろう?
それは、蜂山が暗い黒金が好きだからであります/(^O^)\
いつか幸せな黒金を書いてみたいものだなぁ・・・(遠い目)
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