気になるあの子

なんか最近よく目が合う


そう想い出したのはここ最近で、でも気のせいだと思ってた



学校の下駄箱
俺の前に居たのは、あの子だ。






その日に限って遅刻したのがバレて担任に居残りを強制された
一緒に遅刻してきた奴は何故か上手く逃れたらしい。
気づいたら陽(ひ)は沈みかけていた


なんで俺だけ…


そんな事を思いながらプリントを職員室まで提出に行く


校舎には殆どの生徒は居ないみたいで途中誰ともすれ違わない

運動部がグラウンドの整備をしているのが窓から見えた。


用を済ませた俺はまっすぐ下駄箱に向かった


まだ誰かいたのか…



俺の結構前を一人歩いてるみたいだ


ん?


よく見覚えのある
あの子だ。

リボンが赤だから恐らく2年だろう。友達とかいねぇのか?ってくらい、いつも一人で難しそうな本を抱えてる



その子は3年の下駄箱の前でまがった



ん?なんで3年?


疑問は残るが俺も3年だしその子の後を追うように同じ角を曲がる


え?


その子の視線の先には俺の靴




「……」

「なにしてんの?」
その言葉は自然に俺の口から出てて自分の声にびっくりした。

「っ!!??」

案の定その子は肩を震わせて驚いたようで少し後ずさりする

「……」

「…」

「……」

「…あの!」

「はい!」


少しの間のいきなり声をかけられびっくりした


「こ、これ!」



もの凄い勢いで何かを押し付けそしてもの凄い勢いで廊下の奥に消えていった


状況を掴めずぽかーんと突っ立ている俺


びっくりした…


俺の手の中には本
……本?
さっき渡されたのは薄っぺらい本。
教科書?
よくみたら『歴史V』と書いてあった。裏には汚い大きな字で

大 河 元 気


「これ俺のじゃん!」






家に帰り、それから教科書を見てみるとやっぱり俺のみたいで、フランスのなんたらという小さな写真や所々に見覚えのある落書きがあった

いつの間に無くしたんだ?
人に貸しても、流石に2年には貸さないと思うし


それにあの子、今にも泣きそうな顔だった



なんなんだ…あの子



疑問は教科書からあの子へ変わった





-ao-
元気くんは教科書に落書きしてそう。
名前変換なくてスイマセン…








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あきゅろす。
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