泣いたふり
「ぐずん・・・」


本当に泣きたかったわけじゃない
ただあなたの気を引こうとしただけ

だった、はずなのに


『名前・・・ごめん、でも「えへへ!嘘だよーん。馬鹿だな〜壽太。」

『なんだよ、もう。マジで心配したんだからな?』

「あはは、ごめんごめん。あ、もう切るね」



一方的に電話をきった
でも、これ以上彼の声を聞いていたら、多分気づかれてしまうと思った。
本当は嘘泣きなんかじゃないってこと。


「あー、こんなはずじゃなかったのに」


泣いたふりなんてした自分が馬鹿だった。
素直に寂しいなんて言えない
誰よりも頑張ってるのは壽太だもん

ティッシュで涙と一緒に出た鼻水もふき取る

こういう時ってなかなか涙は引いてくれない。


「ったく、なにしてんだよ」

「っ!!??じゅ、、じゅ、、」

「バレバレなんですけど、名前ちゃん?」

「どこから入ってきたのよーもー!」

気づいたら私は壽太の腕の中。そして一旦止まった涙は再び息を吹き返した
あなたは何でもお見通しで、私はかなわないです。




「寂しいなら寂しいって言えよ」
「そんなこと無いもん!」
「ふーん」
「本当だもん・・・」
「はいはい、俺は寂しいけど?」
「・・・ばか。」




-ao-
会えない寂しさは耐えられないというお話でした。










お戻りはブラウザバックでお願いします










[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
無料HPエムペ!