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偽り
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「疲れたー」
「お疲れさん」

べたーとコンクリートの上に寝転がり先ほどの集会の疲れを取ろうと屋上にやってきた俺たち。今日の集会は一段と疲れた。内容自体はそこまで重要なことじゃなかったんだけど、久しぶりの会長と副会長の集会だったから盛り上がりが想像以上で大変だった。いつもなら屋上には来ないんだけど疲れきった俺を見兼ねてヒロが屋上に行こうと言ってくれた。

「ありがとな、ヒロ」
「いいえー、まぁ、今日の集会は酷かったもんな」

そう笑って言うヒロに苦笑いしか出来ない俺はヒロは実は大物なんじゃないかと思ってしまった。
今日の集会の盛り上がり方は過去最高で集会予定時間を1時間以上も遅れて始まった。その間俺たちはずっと生徒たちの奇声を聞いていたんだけど、ほんと今日は耳栓をしたくなった。俺も頑張って声は出したけど、あんまり意味なかったかもしれない。てか、絶対意味なかった。あんだけみんなが騒いでれば俺たちが騒いだってほとんど変わらないだろう。

「はぁ、無駄な時間を過ごした」
「ゆずるも言うねー、まぁ、その通りだけど」
「生徒会の何がいいんだろうか」
「さぁ、俺たちにはわかんねーよ」

携帯をいじりながらそう言ったヒロにだよなと言って仰向けに体勢を変えた。

「あ、俺、ちょっと教室に戻るんだけどゆずるはどうする?って眠たそうだな」
「あー…俺ちょっと寝てから行くわ」

目を閉じたり開けたりしている俺にわかったと言ってヒロは屋上から出ていった。出て行く際、気をつけろよと言われたからおーと言って俺は目を閉じた。


目を閉じてからいい感じに眠りそうになったとき、お腹のあたりが急に重たくなった気がした。…いや、重い。明らかに何か俺に乗ってる。眠たい目を必死に開け、うっすらと開けた目にあり得ないものが映りこんだ。俺の目が大きく見開いた。
うわっ!と大声で叫べば、人の手によって俺の口は塞がれた。俺の上に乗ってるのは紛れもなく人。しかも俺はこの人を知っている。というか、この学園のほとんどの人が知っている人物。風紀委員の一員で名前は確かつくもれん。聞いたことがあるから間違いはないと思う。独特のオーラを持ち、何を考えてるか分からないやつはとにかく異常で誰もが恐れる存在となっていた。そんな人がなんで俺にまたがってんのか未だわからない。え、これどっきり?あ、それとも夢?
そんな考えが頭の中をぐるぐると駆け回っていた。必死に表情には出さないようにはしてるけど頭の中はパニック状態だ。
そんな中、口を抑えていた手が離れていくのを見ながら、俺は重たい口をようやく開いた。




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