偽り
10
小清水side
「ほんと、生徒会の人気ってすごいよね」
「黙ってろ」
集会がやっと始まったころ音弥は相変わらずの無表情で生徒を監視している。はぁ、委員長がこんなんだから風紀委員が恐がられるんだよ。俺はこんなにフレンドリーなのに。
まぁ、音弥の他にも恐がられる存在は何人かいるんだけどね。今も横に。
「つくもが集会に来るなんて珍しいね」
何かあった?と聞けば人探しと一言言って椅子に背中を大きく預けて座っているつくもは不良以上に恐い。
それにしてもほんと必要最低限の言葉しか喋らないんだから。まぁ、昨日いいおもちゃ見つけたとか言ってたし、それを見つけに来たとは思うんだけど。
「で、探してる人は見つかった?」
「………まだ、…ここマジでうるさい、俺帰るわ」
あとよろしくと席を立って扉に向かったつくも。
「ねー、つくも帰っちゃったけどいいの?」
「好きにさせとけ」
「おとやんが言うならいいや」
「…誰がおとやんだ」
ん、と指を指して音弥を見れば眉間に皺をよせ怒っていた。
「ごめん、もう言わないから怒んないで」
そう笑顔で言うと、ため息をつき黙って生徒を見とけといつもの無表情で言われた。はいはいと軽く返事をし生徒たちを見たけど、こればっかりはつまんなくてすぐ音弥にちょっかいを出し、言うまでもなく怒られた。
俺も帰りたいと言えば即却下され、いやいや最後まで集会を見るはめになった。
俺も今度はサボろうかなと考えながら音弥の後に体育館を出ていった。
小清水side終わり
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