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それが恋、それが愛
20

姫香side



「いたっ………え?」


足の痛みで目が覚めた私は、頭から血を流して倒れている日野くんにびっくりした。



「……どうして…どうして…」


何度もそう繰り返して、
倒れて動かない日野くんをただ見ていることしか出来なかった。

日野くんが体をはって私を守ってくれた事実がわからない…。

私の涙が日野くんの頬に落ちる。



「……どうして、どうして私を助けたの…」

泣きながらそう日野くんに問いかけても日野くんは返事をしてくれない。

涙で日野くんの顔が見えなくなった私は、もうどうしていいかわかんなかった。



「………っ、お前、10秒居ないにここから出てけ」


「………椎名、くん…」


日野くんを抱き抱えてる椎名くんに私は今まで気がつかなかった。

いつからいたかもわからなくて、私はすごく動揺した。

さっき椎名くんが行ったことも耳に入ってこなかった。



「…俺がキレる前にここから出て行け!」

「………ぅっ…」


椎名くんにそう叫ばれて、私は足を引きずりながら、階段を上って行く。

なんとかドアまで来た私は開いてるドアから校舎の中に入った。


そのあと日野くんがどうなったかはわからない。

私はこの場から早く逃げたくて、痛い足を引きずりながら、1人家に帰って行った。



ごめんなさい、ごめんなさい。


そう何度も心の中で繰り返し、私は長い道のりを歩いていた…。



姫香side終わり




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