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それが恋、それが愛
14*

「…おぃ、日野何か飲むか?」


「…………ありがと…」

「あぁ?」


「看病してくれてありがとおおぉぉー!!」


冷蔵庫の前にいる椎名に、そうお礼を言って、恥ずかしくなった俺は反対側を向いて顔が見えないようにした。

顔が赤い、…絶対赤い。




「…お前、そういうとこも変わってねぇな」

「…う、うるさい」


「ほら、水飲め」


そう言って持ってきたペットボトルを俺の頬に当ててきた。

俺はありがとうと小さい声で言ってそれを受け取った。

まだ椎名の顔は見れない。

てか、椎名がちょっと優しい…。



「……椎名、授業は?」


沈黙が嫌で、俺は気になっていたことを椎名に聞いた。



「先生には言ってある」

「………そっか」


椎名が先生に何をどう言ったのかは聞かないことにした…。



「…日野、いつまでそっち向いてんだよ」


俺がずっと椎名に背を向けているのが気に食わないのか、椎名がそう言ってきた。


「……お前が帰るまでだ」

「日野がこっちを向いたら帰ってやるよ」

「…………」


椎名にそう言われ、体を布団で巻いたまま、俺は黙って椎名の方を向く。

…顔はまだ赤い。



「……なんかこれはこれでムカつくな…」
「うるさい、…………さっさ授業に戻れよ…」


「……はい、はい、お姫さまの機嫌も悪いことだし、授業に戻るか…」


「誰がお姫さまだ!!」

椎名の冗談に過剰に反応した俺は、そう叫んで椎名の方を向いた。

すると、椎名の顔が近くにあり、俺はそのまま唇を奪われた…。



「んっ……ちょっ…椎、名…ん」


逃れようとしても腕を椎名に持たれて逃げられない。


「んっ…し、ぃな…」


何度かキスされた後、椎名は俺から離れた。


「看病代」


そう笑って言って、椎名は保健室から出て行った。



「…………」


手の甲で唇を拭きながら、俺はあいつが出て行くのを黙って見ていた。


「…なん、なんだよ……」

そう呟いた俺は布団を顔までかぶってベッドに倒れ込んだ。

恥ずかしさとムカつきで何も考えたくなかった俺はそのまま寝ることにした。


「……ほんと、なんなんだよ…あいつ…」




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