[携帯モード] [URL送信]

それが恋、それが愛


****



「ねー、遥くん、俺って…かっこよくない?」
「え?…いきなりどうしたんだよ」
「ほら、俺モテないから」
「いや、日野は…かっこいいって言うより、」
「…言うより?」

「……かわいい、かな」


「…それ、嬉しくない」


放課後、一緒に廊下を歩いていた遥くんにそんな質問していた俺は、まさかの答えで少し悲しくなった。


かわいいと言われて喜ぶ男は居ないだろう…。


そんな俺にかわいいと言った遥くんはなんとかフォローを入れようと頑張っていた。

そんな遥くんはかっこいい。



「はぁ、俺、あいつに勝ち目ないじゃん…」

「………あいつって椎名カイリのこと?」
「………名前を出さないでくれないか…」
「……ごめん」


名前を聞くだけでイライラする俺は相当あいつを嫌ってる。

なんであんなやつが人気なのかわからない。

顔はめちゃくちゃかっこいいと認めるが、性格はねじまがってる。


みんな気づけ、あいつの正体に。



そんなことを思っていると誰かに声をかけられた。



「ねー、ちょっといい?」

声をかけてきたのは女の子で、その後ろには数人女の子たちがスタンバっていた…。

何か嫌な予感を感じながらも、屋上に来てと言われた俺は女の子たちの後について行く。
遥くんもついて来ようとしていたけど、女の子たちによって止められていた。

俺はそんな遥くんに、遥くんは部活に行ってていいよ、と言って遥くんと別れた。
遥くんはすごく微妙な顔をしてたけど、女の子たちの圧力もあってしぶしぶ部活に向かっていた。




****



「……あの、俺に何か用ですか?」


屋上にやってきた俺は、数人の女の子たちに囲まれて、すごく帰りたい気持ちでいっぱいだった…。

それに、よく見ると女の子たちは先輩のようですごく睨まれて怖かった。




「あんた、椎名くんとどういう関係なの?」



「………どういう関係と言いますと?」



先輩からの質問があまりにも意表すぎて、俺は普通に聞き返していた。



「あんた、椎名くんと仲良いじゃない」

「…誰と誰…が?」


「あんたと椎名くんよ!」



「えぇぇぇぇー?!」


先輩のあり得ない一言で叫んぶ俺は、敬語じゃなくなっていたことにも気づかないくらい動揺していた。

というか、

どこをどう間違ったらそうなるのか教えていただきたい…。



「あ、あの…1つ言っておきますが…、俺とあいつは仲良くなんかないですよ…」


これだけは言って置きたかった俺は、遠慮がちにそう言って先輩の反応を伺った。


「…嘘、言うなよ、」
「嘘なんかじゃ…」

「…本人が言ってたから間違いないんだよ」


「え、…本人?」



「椎名くんよ」



リーダー的な先輩にそう言われて、俺は放心した。

…あいつが何を考えてるのかわからない。

ただ、また変な嫌がれせをされていると思うと、俺は頭が痛くなった。




[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!