鷹龍学園
3
「あ、葎!」
「ストップ!」
俺のとこに来ようとした恭哉を俺は慌てて止めた。
「恭哉は速く逃げろ!お前まで捕まったら、優勝出来ないだろ。」
「……だけど、」
「……俺は大丈夫だから。」
「………葎。」
「……恭哉。絶対、豪華商品ゲットしような!」
俺はドアのとこにいる恭哉に向かって笑顔でそう言った。
俺は恭哉と優勝したいんだ。
「……葎、わかった。でも、ちゃんと逃げきって戻ってこいよ!」
恭哉はそう言って教室から出ていった。
恭哉も頑張って逃げきるんだぞ!
そんな恭哉に俺は心の中でエールを送っていた。
「……ねぇ、幸介、俺、なんか、つまんないんだけど。」
「……俺もだ。」
そんな恭哉と葎に、なにか不満を感じる先輩2人がここに。
そんな2人に気づくことなく、俺は恭哉の出ていったドアをずっと見つめていたのだった。
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