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鷹龍学園



「……恭哉もそうだったんだな…。」


「……え?」


「……俺もそういうときあったからさ。」


…小さいときだったけど。


「……葎が?」

「そ、あのときは俺、ずっと泣いてな…。それに、そのときは俺も兄貴が嫌いだった…。」


「……やっぱり、みんなそう思うよな…。」


「でも、今は俺、雅兄こと好きだぜ。」


「……なんで。葎だって、ずっと苦しい思いしてたんだろ…。」


「…まぁ、そうだけど、その分、雅兄も苦しかったと思うから…。」


「…え?」

「…あのな、雅兄は俺に嫌われたことがショックだったみたいでさ、…俺に隠れて泣いてたんだって…。」


「………。」


「…そのことは母さんに聞いたんけどな、それ聞いたら雅兄も苦しかったのかなって思って…。それに、よく考えてみれば、雅兄が悪いわけじゃねぇじゃん。
雅兄だって、つらかったんだよ。…だから、泰先輩だって…」


「……それは…。


……なぁ、…なんで、葎は兄貴のこと、そう思えるんだ…?それに、俺、今更…」


「え、んー…なんでって言われてもなぁ…

だって、

俺の兄貴じゃん。

嫌いになれねぇよ。」



そう言った俺は自然と笑っていた。

たぶん、嬉しいんだ。

雅兄が俺の兄貴で。




だから、恭哉だって本当は…




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