鷹龍学園
兄の存在
―――――
―――
「…はぁ、はぁ、…ここまで来たらもう大丈夫だろ。」
「……少しの間ならな。」
俺たちは無事鬼から逃げて校舎の中に入った。
今は教室で身を潜めている。
「…はぁ、疲れた。」
俺はそう言いながら、ドアの近くの壁によしかかるように座った。
その横に恭哉も座る。
「……恭哉、これからどうする?」
「……どうするって、何が?」
「……んー、なんとなく聞いてみた。」
「………なんとなくで聞くなよ。」
「あははー…あ、恭哉って泰先輩と兄弟なんだよな。」
俺はこの前言っていたことを思い出し、恭哉に聞いた。
あれは、ホントびっくりしたよ。
「……そうだよ。」
あれ?
恭哉、なんか機嫌悪くなってない?
あ、そう言えば前も不機嫌だったような…。
「……なぁ、恭哉って泰先輩のこと嫌いなのか?」
「……なんで。」
「…いや、泰先輩のこと話すと恭哉、不機嫌になるから…。」
兄弟喧嘩でもしてるのかな…。
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