1−4
『…はぁ、…はぁ、…はぁ、』
息があがる
何故私は全力疾走しているんだろ?
それは数分前にさかのぼる
「アリス、僕等のアリス。さぁ、僕等と一緒に行こう」
『…え?……何処へ?』
聞き返すとそれはニィっと笑ってまた繰り返す
「アリス、僕等のアリス。さぁ、僕等と一緒に行こう」
『?!!』
急に悪寒が走り、背筋が凍った
その笑う顔に不気味さが含まれていた
そして、気づけば私は走り出していた
『……っ、はぁ、…はぁ、…はぁ、』
全力疾走したせいか脈拍が異常に早い
後ろを振り向いて先程の男が追って来ないことを確認する
『(大丈夫、来て、な、い)』
すんでのところでホッと息をつく
「……っ、キャアァアア!!」
突然聞こえた叫び声に身体がビクッと震え上がった
そして同時に聞き覚えのある声にハッとした
『(!亜李子?!)』
くるっと向きを声がした方へと向き直る
『(まさか、さっきのフード男?!)』
私は考えるより先に身体が動いていた
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