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ネコカレ
俺を片膝に乗せ、ガッチリホールドしたサラサラの金髪。

「あの、大丈夫ですからね!」

「っだめ!大事!あげない!守るの!」

単語で話してるけど彼は人間だ。初めて見たときは人型ライオンだと思ったのは秘密だけど……。
で、金髪は俺の…………俺の…………彼氏です………。不良チームに所属していてかなりの美形さん。なんで俺の“彼氏”なのか、詳しいことは割愛させていただく。

何が大事で何を守るかって、まぁ、俺のことです。
…………いや、すみません。これ、本当なんです。



「いや、あの〜僕たちは貴方様から彼をとってしまおうというのではなく、ただ……ただ………委員会があるので!委員の彼に委員会に出席していただきたく思っている所存でございます!!!」

「いや。俺の。無理。あげない」

委員長………すみませんごめんなさいすみません。隣のクラスのちょっと髪が薄いのを最近気にしている委員長。いつも委員会をコッソリ休ませてくれる優しい委員長。
今日という今日はいきますからって言ったのに、見つかっちゃいました。

ああ………委員長の心の声が聞こえる。

『このフッサフサのサッラサラめ!』

困ったように汗を拭きながらあくまでも低姿勢。


このままだと、ヤバいのは委員長ではなく俺だ。なんとしてでも俺は委員会に行かなければならない。


「あの〜委員長………先輩も連れてっていいですか?」

「まぁ………この際かまわないでしょう」

「ね?先輩、ならいいでしょう?」


俺を抱く手にギュッと力がはいる。俺の項にスゥーっと鼻をうずめた。
そうして顔をあげて、目が合うと首が縦に振られた。


「ただし、条件を一つ。あ ば れ な い と約束してください」

暴れないを区切って強調する委員長。


「俺の側にいれば暴れませんよね、先輩」

「うん。迷惑かけない。だいすきだから」

「ありがとうございます。俺もだいすきです」



はぁーっと大袈裟にため息を吐いた委員長。いや、すみません。


俺、幸せ。


いや、すみません。









こうして俺は委員会に出席したのだ。
当の委員会では他のクラスの人に奇特な目で見られたが、先輩がホクホクしていたので良かったことにする。


ただ…………
誰かが発言する。
俺も発言する。
誰かが俺に対して意見する。
それに対して先輩が逆毛を立てる………ということもしばしば起こり、委員会メンバーを怖い目に合わせてしまったのには反省した。




でも、俺にしか懐いてない大きな猫科みたいで可愛い先輩。
ちょっと心配症だけど、そんなところも愛おしい………なんて自分で言って照れちゃう。







「おつかれ。帰ろ」

俺の手を握るとチュッとキスを落とす。
動作の一つ一つがかっこよすぎる。

「はい!先輩、」

「ん?」

「今日は先輩の言うことなんでも叶えますからねっ」


そして俺は明日足腰がおじいさんになります。




(終わり)


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