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布団の中
『本当に可愛い子』

優しかったお母さんの声が懐かしさを伴って頭に響く。

『愛してる』

それはいつのことだったのだろうか。



















「おか、ぁ、さ……」
「類斗」

はっとして目を開けると、ベッドの中、隣に哉也が並んでこちらを見つめていた。

「カナちゃん」
「おはよ」

夢を見ていた気がする。
ぼぉーっとする頭を無理矢理起こして、僕は哉也に向き直った。

「おはよう」
「うなされてた」
「嘘」
「本当」

そういえば、目を覚ます直前に身体を揺すられていたような気がする。

「あの人の……夢、見てた」

もう覚えていないけれど。

「思い出さなくていい」
「うわっ」

布団を頭から被せられて僕は驚いて声をあげる。

「ちょ、カナちゃんっ!」
「やばい、勃ってきた」
「なんで」

このタイミングで?

笑いながら、僕は哉也のそれに手を伸ばした。

「カナちゃん、大好き」
「お前は俺のことだけ考えてろ」
「わかった」
「あんな奴のことなんか忘れろ」
「うん」

哉也。

僕の唯一。

「あ、カナちゃん」
「んだよ」

哉也のそれを舐めている途中で遮られたからなのか、若干苛立った様子で彼が返事をした。

「もう学校行く時間だよ?」
「いいから舐めろって」
「やっ」

グッとそれを口腔内の根本まで押し込まれて、息苦しさに僕は生理的な涙が出た。

「ん、ンンー!」
「っ……、類斗」
「ん、ハァ、ぁ、ん」
「もっと、類斗。奥まで咥えろよ」
「ゃ、……ん、も、ムリっ……」
「いいから」
「ぁ……おっきぃ、から……だめ、んっ」
「……ッ煽んなって」

暫くして、哉也の熱いものが口腔内に飛ばされた。
僕はそれを必死の思いで受け止める。

「ん、ん……ッ!」
「全部飲めよ」
「ンーッ!」

口は哉也のものを咥えたまま、鼻を塞がれ、僕はそれを全て飲み込んだ。

「っごほ、ごほ」
「よく出来ました」

にっこり笑った哉也の綺麗な表情を見て、僕の中で何かがぷつりと音を立てて切れた。







―――――――――――


「急いで、カナちゃん」
「うるせーよ、お前が悪いんだろ」
「違うよ、元はといえばカナちゃんが」
「はいはい、黙れって」
「それより、早く。遅刻しちゃう」

バタバタと慌てて身支度を済ませ、僕たちは時間差で家を後にした。

「それじゃ、カナちゃん。僕先に行くからね」
「早く行け」
「いってきます」

今日もまた一日が始まる。

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