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バニラシロップを一滴だけ
ルクプディングから飛び出した
小学校5年生+現代ぱろです
なのではじめいーたんが素直すぎます





「いーたん、今日は何月何日か知ってるか?」

「知らない」

「お前どうやって連絡帳書いたんだよ。今日は4月12日だ」

「ふぅん、それで?」

「4月12日彼女は彼氏の言うことを聞かなくてはいけないという法律がこの頃出来たらしいんだよ」

「ぼくは君の彼女だからそれのとおりにしなきゃいけないのか」

「おう、そのとおり、ざっつらいおんだぜいーたん」

「ざっつらいおんって何?」

「そんなことも知らないのか?」

俺は得意げに腰に手を当てて黄色い横断幕をいーたんに向けた

そして横断幕の棒を右手だけでくるくると弄びながら俺はさらに胸を逸らす

かっこいいなよな!俺!

「そのとおりって意味なんだぜ!」

「へえー」

いーたんは淡白だった

別にちょっと悲しくなんて無いぜ
きっといーたんも零かっこいいなとか思ってくれてる筈だ

「それでぼくは何すればいいの?ぼく、零の彼女だからなんでも言うこと聞くよ」

「ふふーん。よくぞ聞いてくれた!めいれいそのいち!いーたんは今日1日俺のお嫁さんになること!」

「お嫁さん?彼女とどう違うの?」

「お嫁さんは夫に手料理をつくるんだぜ!」

「てりょうり………?」

「そうそう!あとその時はエプロンをつけるんだ」

「ふぅーん」

「だからさ、」

夫婦になろっか、そう言って俺は頬の刺青を歪ませて微笑んだ


その後俺達は今日の放課後家に帰ったら遊ぶ約束をして別れた
いーたんと別れた後、俺は気持ちが高ぶるのが抑えられなかった

いーたんが俺のお嫁さん………!
いーたんは俺のお嫁さん!

お嫁さんなのは今日だけだけどそんなの関係ないぜ!

俺の為に手料理作ってくれるとか嬉しすぎる


でも包丁とか危ないかな

だったら切るのは俺がナイフでやれば良いな

いやでも間違えて指を切っちまったいーたんの指を舐めてあげるとかも良いかもしれない

顔真っ赤にしちゃって可愛いだろうなー


そんなことを考えていたら、ようやく家に着いた

「ただいま!」

「ああ、人識くんおかえりー」

「今日って家に居るの兄貴だけか?」

「そうだよ」

「早速だけど今日はいーたんが家に遊びにくるから出てけ」

「ふうん?」

「いーたんとお家デートだからだ」

「2人きりが良いってことか、ふむ。良いよ。6時頃帰ってくるからね」

「サンキュー兄貴」


ふう、これで一安心だ

糞兄貴が居たらいーたんといちゃらぶできないからな

兄貴を家から閉め出した所でチャイムがなった

「いーです。零ー、居る?」

「おー。今開けるから待ってろ」

玄関を開けていーたんを家に招き入れる



いーたんが俺の家に遊びに来るのは初めてではない

俺達は幼稚園からの付き合いだし親同士も仲が良いからよく遊ぶのだ


でも今みたいな所謂コイビト同士になったのはつい最近のこと
告白したのは俺からだ
「付き合おう」と告白したらいーたんから2つ返事でオッケーがもらえた時はもう死んでも良いと思ったくらいだ


そんなこんなでコイビトになった俺達だが、今日だけはコイビトではなく夫婦だ

いーたんは俺の新妻なのだ

こんな適当な嘘に本気で騙されてくれるとは思っていなかったけど、予定通りにいったならそれはそれで良いよな!



「零、双識さんとかは?いないの?」

「ん?ああ、出掛けてくるって言ってたぜ。6時頃には帰ってくるってさ」

「じゃあそれまでに食べちゃわないとね」

「おう。で、何作ってくれんの?」

「ホットケーキだよ。ちゃんと材料も持ってきた。今から作るからちょっと待ってて」

「かはは、分かった。楽しみにしてんぜ!」



チェック柄の可愛いエプロンをとりだして着はじめたが、後ろのリボンが上手く結べないようだった

「零、後ろ結んで」

「おう」

うん、どうしよう
凄く盛りたい
かなり襲いたくなってきた


いーたんの右肩に顎を乗せて抱き締めてみた

「うわ!零、どうしたの」

「襲いたい」

「死ね!!」

頭突きされた

「いったい!」

「まだキスも済ませてないのに調子に乗らないでよね」

いーたんは台所にすたすたと歩いて行ってしまった

「………ちぇ、」

俺はひとまずおとなしくいーたんを追いかけに行くことにした

なんだよなんだよ
キスぐらい今日の内に済ませてやるっての!
俺らは(今日だけだけど)夫婦なんだかんなっ!


「零ー、ボウルとかどこ?」

「…………」

「あー!もう手についた」

「…………」

「わっ!粉が舞ってる!けほっ」

「…………」

なんていうか……良い感じ?
初々しい感じがそそるよなー

またしても抱きつきたくなってきた

もー、ぎゅってしたい!


思ったら即実行
俺はまたしても後ろからいーたんに抱きついた

「ちょっと零!料理できないんだけど」

「かはは、抱きついてるだけだもーん。いーたんは気にしないで作ってていいぜ」

「ばかっ!」

真っ赤な耳が見えて、少し嬉しくなった

「いーたん!愛してるっ!」

ガンっ

「いたっ!」

いーたんのエルボがきれいに俺の頭に決まった












***

あれから何年たっただろう

零崎はあんな昔のこと絶対忘れているだろうな

今ではぼくも零崎も同じ学校に通う中学生だ

不本意ながら零崎とぼくは今も変わらずコイビト
それなりに仲が良いコイビト同士なのではないだろうか


あの後は一緒にホットケーキ食べて初キスをして一緒に布団で寝て、帰ってきた双識さんに起こされたっけ

あの日は丁度今日と同じ4月12日だった筈


そんな今日この頃

ぼくは零崎にプロポーズをすることにしました

何年たってしまっていても、思い出したからにはいてもたってもいれなくなってしまったのだからしょうがない






「零崎、今日ぼくん家に遊びに来ない?」

「まじでっ!行っていいの?」

零崎に尻尾が着いていたら千切れんばかりに振っていただろう
すっごく目がキラキラしてる

「いいの。今日は特別な日だから」

「なんで?」

「ほら、いいから早く行こう」

「やった!!!」



恥ずかしいけど、今日の為にあの日と同じ材料を買っておいた
鞄の中でホットケーキミックスの箱を確認して安心する

大丈夫
ちゃんと入ってる

ついでにエプロンも用意した
流石にあの時のエプロンは小さすぎるから新しい黒いエプロン買ったけど

「いーたん急にどうしたんだよ」

「自分で思い出しなよ。それより零崎、お腹空いてる?」

「?お腹は空いてるけど。マック寄るのか?」

「ううん、お腹空いてるならいいんだ」

零崎はまた不思議そうな顔をした



家に着いてからいつものように他愛の無い話をした

1時間くらいたってから、ぼくは早速支度を始めることにした

カッターシャツの上からエプロンを着る


「いーたん、何やってんの?もしかしてエプロンプレイがご所望なのか?」

「…………」

落ち着けぼく、まだ怒ってはいけない

「……零崎、後ろ結べないから結んで」

「おう」

言って、零崎ははっとしたように止まった

「どうしたの?はやく結んでよ」

「…………今日は、」

「?」

「何月何日だ?」

「………………4月12日」

零崎は一回俯いて、もう一回顔をあげてあの日見た最高の笑顔をぼくに見せて言う


「日付、ちゃんと確認するようになったんだな。偉い偉い」


言うが早いか零崎はリボンも結ばずに抱きついてきた

「わっ!」

突然のことにバランスを崩して畳に倒れこんでしまった

零崎と密着してしまうのが恥ずかしくて、ぼくは零崎の腕の中から逃げようとした

「やっ……」

「いーたん、襲いたい」

掠れた、思春期特有のハスキーボイスで耳元で囁かれて、ぞくぞくする

あの時とは全然違う大人っぽい雰囲気の零崎に目眩がした


「……………キスもまだしてない癖に調子に乗るな」

「……なあ、前みたいに呼んでくれねえの?」

「、………零、キス」

「当然」

「…………ん、」








ミルクプディングから飛び出した




二人だけの特別な日は今も色褪せずに







(いーたん、彼氏から命令そのいち!夫婦の会話王道「ご飯にする?お風呂にする?それともぼくにする?」をそのキュートなエプロン姿で)(死ね)




end.




和也さま5000hitふりりくです
ので、お持ち帰りは和也さまのみおkですよ!
零僕新婚ということで僕自身本当に楽しみながら書かせて頂きました____〆(゜▽゜*)
僕の欲望をかなり(特にいーたんに)ぶつけてしまった文となってしまいましたが大丈夫でしょうか(・×・;)
こんな駄文でよろしければ、和也さまに捧げます!





おまけ




あきゅろす。
無料HPエムペ!