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いざ!
ふげんじっこう

※勝手に零崎妄想しりーず


「あ、人識。クリームついてる」

突然の展開はあまり気にしないで下さい
これは零崎の人識君の馬鹿で痛い妄想上での作り話です


いーたんと俺は、京都内にあるこじゃれたカフェにいた

俺は苺のソースのクレープ
いーたんはプレーンのシフォンケーキを頼んだ
なんでも甘いものはそこまで食べたい気分じゃない、との要望で、だったらあまり甘くないシフォンケーキはどうだ、と俺が薦めたのだ
(カフェに来てケーキを頼まないなんて外道だ)



「え?」
俺は慌てて左手、フォークを持っていない方の手の甲で口元を拭った

「違う、そこじゃないよ。もう、ほら、こっちに顔向けて?」
いーたんは微笑んで俺の顔をぐいっと引き寄せると、鼻の頭を舌先でぺろりと舐めた


「!」

「うん、意外とそれも美味しいんだね。ねぇ、ぼくにも頂戴」
全く、甘えん坊な彼氏を持ってしまったものだ

「いーたん、あーん」

「あーん」

ぱくりとフォークごと口にくわえ、そのまま上目使いで見上げてきた

……誘ってる……んだよな?


俺はフォークをいーたんの口の中へ押し込んだ

「…んっ」

僅かに眉根に皺が寄る

「……」

見事に煽られちゃって被虐心がめらめらと燃え上がった

フォークをいーたんの口の中で出し入れすると、んぅ、と声が上がった


カフェががらがらだったのを素直に感謝した

こんな可愛いいーたん他の野郎共に見せられっか


いーたんはいつの間にか俺のフォークを持っている方の手を両手で包み込んでいる

そして、フォークを力任せに引き抜こうとする「…っ、ひと、しき、ぃ…た…い、からっ!」

「まだだめ」
そう言うと、涙目で睨んできた
ガン!

と、足に激痛が走る

「つ――」
蹴りやがったなこのやろう

一瞬の隙をついて、いーたんは口からフォークを出すことに成功していた


「いたい」
「ごめん」
「見てよこれ、フォークも口ん中も血だらけ」
「ごめんって。でもいーたんも乗り気で」
「タヒね」
「分かりにくいことすんなよ」
「君なんかフォーク飲んで苦しみながらしねばいいのに」
「ストレートすぎ!」
「あーあ、口痛いし、これじゃあ当分キスは出来ないなあ。本当残念だよ」
「え゛!何それそんなの俺耐えらんない」
「人識ぼくのこと大事でしょ?口ん中血だらけな上にキスまでしたらぼくは一生醤油料理が食べらんない」
「味噌汁を飲め」
「それにここはどこ?常識は?理性はどこ?TPOちゃんと考えてますかー」
「応。ここはカフェで今はがら空きだ」


「………」
きいたぼくが馬鹿だったとか嘯きながら、いーたんはシフォンケーキに集中し始めた

話し掛けないでオーラがぷんぷんするぞ

「……悪かったって」
「ふん」
いーたんは無視を決め込んだようだ


…はあ
仕方無く俺も自分のクレープに意識を向けることにした






結局いーたんが口を開いたのは、カフェからアパートまでの帰路中


「人識」
「なに」
「……ぼくは今もーれつにキスがしたい」
「……」
「なのに、出来ないじゃないか。苦しいのはぼくだって一緒なんだぞ」
「……いーたん」
「…こんな、こんな傷なんて早く治しちゃうから、」

だから、そう言って見つめてくる恋人を見て、思わず抱き締めた

「俺、「零崎、なににやけてんの?気持ち悪いよ」


「いーたん」


見られたか


「ちっ。今いーとこだったのに」


「何言ってんの?頭大丈夫?絵本さん呼ぼうか」

「な!それは駄目!!!じゃねえ!」


「…甘味所、行くんでしょ?早くしないとおやつの時間過ぎちゃうよ」


只今の時刻、2時30分
おやつの時間まで、残り30分(いーたん曰わく3時はおやつの時間)




妄想上でのいーたんを思い出す

「あー可愛かったな」

「誰が?」
ちょっとムッとした表情

笑いをかみ殺して、




「いーたん、醤油料理好き?」




「…?」





首を傾げるいーたんの手を取って、俺達は甘味所への第一歩を踏み出した






不言実行。これからだ





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