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with love
08 linger scar





「おい、お前」

「あ?」

呼ばれて振り返ると、仏頂面の目つきが悪い奴が立っていた

「誰だお前」

「お前なんかに名乗る名前なんかねえよ」

なんだこいつ
人の事呼び止めておいてこの態度かよ

「あっそ。で?何の用だよ」

「いーのことだ」

「………?」

「いーのことで、お前に話がある」










***



「…お前は、いーの事どう思ってんだ?」


所変わってここは高校の食堂
俺はカップアイスをスプーンで掬いながら答えた

「…どうって、どーゆー意味だよそれは」




「お前は、いーのことが好きなのか?」

「……まあな」


なんでこいつなんかに言わなきゃなんねーんだ、と思いながらも、一応返事
いーの知り合いだってんなら邪険には出来ない
何よりこいつは男だしな


「なら話は早い。いーに告白すればいい」

目の前の男は人が悪い笑みを浮かべて突拍子も無いことを宣ってみせた

「……………はあ?」

何言ってんだこいつ

「じゃあ質問を変えよう。お前、いーが女の子からの告白を断った話、聞いたり見たりしたことあるか?」

「……ない」

…なんだ?こいつは何が言いたいんだ?

「いーは、告白されたら、それが誰であろうと断らない」


「な………」



「断れないんだよ」



真剣な顔

棘を含んだその言葉と目つきが、容赦なく俺に向けられていた







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