[携帯モード] [URL送信]

with love
06 Blackout(take a turn for the worse)

塾へ向かう足取りは心なしか重い
周りの目線が全てぼくに向いているようで…、って被害妄想ですか

…にしても知り合いに会ったら最悪だな
言い訳のしようが無い
戯言遣いのぼくをもってしても戯言で誤魔化しきれる問題じゃ無い


どんどん深みにはまっていくのが被害妄想の特徴と言えるだろう




思考が進めばそれは勿論時が立つのを表しているもので、いよいよ彼とよく会う場所にまで辿り着いてしまうようだ




「あ」
見つけた彼は矢張り笑っていて、格好良いなんて考えている自分は完璧に侵されている



早くしなければ彼が行ってしまう

ぼくは歩く速さをすこしあげて彼に近づいた


「あのっ!」

あれ
気付いてくれない


焦ったぼくは、とっさに彼の服の袖をつかんだ



困惑した顔がこちらに向いた

「あんだよ」

「あの、えっと」


飲んでいたドリンクから口を離し、紅い双眼がこちらに向けられた

同時に眉間に皺が寄ったことに、ぼくは俯いていて気付かなかった


「あ?」



「あの、アドレス教えてもらえませんか」

そう言って携帯電話を突き出す

携帯電話には赤外線機能が着いていて、楽にデータの送受信が出来るということを志人君に教えて貰った
ていうか呆れてたけど




パシャッ




…え?


「悪い、あ、いや悪気はあったけど」


彼の前に差し出した携帯電話
とぼくの頭が何かで濡れていて



柑橘系の香りが酷く鼻をつく
ああ、オレンジかな




彼を恐る恐る見上げると、先程まで飲んでいたドリンクのプラスチックの蓋が外されていて、その広い飲み口がぼくの方を向いていた







「、あ…」

瞬時に理解する

「もう二度と俺に話し掛けんな。虫酸が走る」









ブラックアウト










オレンジジュースで濡らされた携帯の画面は、いつの間にか黒くなっていて









もう、動かないみたいだ










過去が明らかになりました
一応説明↓
「彼」は言わずもがな、人識くんです
人識はこの頃にはもうホモ化(笑)してるので女に勘違いされたいーたんは人識君にかなり酷い拒絶をされます
で、いーたんは男性不信になってしまう訳なのですよ!
あ、因みに高校生の人識くんはそれがいーたんだったとはまだ気付いてません
蛇足
志人君とはまだ友人関係です
唯一の男友達ですね



第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!