with love
02 out of love with...
「いーさん!付き合って下さい!」
「いいよ。あ、ちょっと待ってて、らぶみちゃんと別れてくるから」
「いいのかよ!」
「いいよいいよ。君顔可愛いし、背も低いし、ぼく好みだよ」
「でも、いーさんは男嫌い何じゃ?」
「は?何言ってんの?君女の子でしょ」
「あ、ぅ」
「だったら関係ないよね」
「………」
「もし君が男だったとしたら、君とは話しもしないよ」
***
2月
ここ市立薊高等学校に、季節違いの転校生がやってきた
「今日からこのクラスに新しい友達が入って来ます。零崎さん、入って来て」
ガラガラ
と、ドアを開けて入って来たのは
やけに可愛らしい背の低い子だった
この高校は基本的に制服の無い自由な校風を売りとしているので、当然と言えば当然
そのゼロザキサンとやらも私服だった
肩までつくぐらいの脱色された髪
真っ赤な瞳
折れてしまいそうなくらい華奢な体つき
右頬に施された禍々しい刺青
クラス中の男子が色めき立つ中、ゼロザキサンは男共にはにかんだ
ぐはっ
誰かが倒れた音がした
「零崎人識と言います。宜しくお願いします」
ぺこり、と擬態語がつきそうな可愛らしいお辞儀をする
「席は…そうだな、いーの前が開いてるな」
「はあ」
いーと呼ばれた少年は、やる気なさそうに返事をした
当然、担任は男だから
が、零崎人識が近づいてくるに連れて態度が一変した
「宜しく、人識ちゃん。何かわからないことがあったら何でも相談して」
にっこり、と微笑んだいーを見て、今度はクラス中の女子が陥落した
***
おかしい
さっきからメアドきいてくるのは男ばっかりだ
ま、勘違いされていても好都合
俺は男にしか興味ないし
ちょっと狙ったしな
女が寄って来ないように、常に男と絡むようにした
見てくんな
気持ち悪いなあ
吐き気がする
友達になろうなんて考えてんじゃねーぞ
ちなみに今狙ってんのは
前の席のいー
最初の微笑みで他ならぬ俺も陥落
ハートに矢が突き刺さった
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