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いざ!
微熱のような恋をする
微熱のような恋でした』の続編です
未読でも多分差し当たりは無いかと………(汗)






■■■■■■

……君は誰?

■■■■、■■■■■■■■■■?

さあ、覚えてるも何も、ぼくには記憶が欠陥しているからね。丁度………いつだったか、高校生時代の、記憶がね

…■■

…それは言わない約束…でしょ?君は、ぼくの記憶を知ってるの?だったら■■■■■■

………悪かったよ。………はあ、全く、君は昔から本当に変わらない………、、って、ん?

■■■……、■■■■■■■?

その通りだ。ぼくは君のことは知らない筈だし、記憶なんて以ての外の筈なのにね。実に可笑しなことだ、笑えるね

■■

うん

■■■

分かってる

■■■■、■■■■

ばいばい、人間失格










「………起きます」


首が重くて首筋に掌を当てるとひんやりと湿っていた

どうやら汗をかいていたらしい
こきり、音を鳴らして回すと、少しはましになった気がした


酷く滑稽な夢を見ていたと思う
それは、夢と呼ぶには儚すぎて、夢と呼ぶには現実味がありすぎる夢だった


夢…………ね
いつ振りだろうか


一つ溜息を吐いて空を見た


時計の針は既に7時半過ぎを知らせている

急がなければ

重い躯をどうにか持ち直して、ぼくはパジャマの釦に指をかけた


『…誰』

『玖渚友だよ』

『ふぅん、で、ここはどこ』

『君の巣だよ』

『へえ』

『ねえ、狡いんだよ。君の名前はまだ教えてもらってない』

『ぼくに名前は無いよ。棄てたから』

『ふぃーん、じゃあ僕様ちゃんが考えてあげるよ。へへ、何がいいかなー』

『………』

『××××……でもないし、×××××……?うん、×××××にしようかな』

『……×××××?』

『そうだよ。×××××…うん、×××××は今から、私の、玩具だからね。宜しく』

『……ぅん』



いつのことだったかはとうに忘れてしまったが、ぼくは玖渚友という蒼い少女に拾われたらしい

拾われた、というと聞こえが悪すぎてしまう感は否めないが、それは正に正しい表現だ
実際ぼくは、道のど真ん中にぶっ倒れていたらしいのだから

そんな所に偶々通りかかった玖渚友の気紛れな良心…いや、この場合は興味か?によって拾われたぼくは、だから彼女にとって良い暇潰しの玩具であり、ペットだ
良い意味でも、悪い意味でも

どこの馬の骨とも知れない男の衣食住を支えて……というか全面負担してくれている彼女を、ぼくは全くと言って良い程信用していない

だって、考えてもみろよ
こんなの、疾しい所があるとしか思えないじゃないか






■■■■■■■■■?

――――五月蠅い

■■■■■

黙れ

■■■■■■■■■■■―――■■?

……っ、聞きたくないよ、そんな、昔の事なんて!

―――■■■■■■■■■■■■■

ぼくはもう、あの時の事は、忘れたんだ。そうでなくちゃ、駄目なんだよ

■■■■■■

……………………君が、少しでもぼくの気持ちを鑑みてくれていればね。ぼくは周りなんて関係無い。君だけが居れば良かったのに

■■■

………っ、他は何も、要らなかったんだ、本当なんだよ

…………

ねえ、何とか言ってよ、ひ
――――ぶつん




「■■■■」

「――戯言、だよ」




大学に向かう道程でのことである
信号待ちのある瞬間、ふ、と怖気がした
それは本当に背中を撫ぜるような僅かなそれだったが、確実にぼくに震えを残した
直後、排気ガスが鼻先を掠めて、ぼくは眉根を寄せる

厭だ厭だ



「――俺、この家出て行くよ」

「え?」

思わず箸を止めて目の前の彼を見た

「いーたんもテキサスに留学が決まったんだろ?」

「…うん。それはそう、なんだけどさ、でも、だからって」

「お互いにさ、帰れる場所はあっちゃいけねぇんだよ。俺等はさ、もう元には戻れない。引き返せない所まで来ちまってんだよ」


彼は、夕食の素麺(ぼく作)をすすりながら、何とも無しに言ってのけた

「…ねえ、本当にさ、終わりなの?」

その言葉が孕んだ意味を、君は態と間違えた

「…ああ、高校には休学届出してあっから気にすんなよ。もしかして退学届の方出したかったのか?かはは、駄目だぜ兄貴。ちゃんと卒業しとかないと後が大変だからな」

「…ううん、大丈夫。留学届で、合ってるよ」


ならその間君はどうするんだとか、料理なんて全く作れないのに3食どうするのかとか、聞きたいことは沢山あったのに、喉に何かが詰まっているかのように言葉が上手く出てこかった






信号が青に変わり歩道を渡ろうとすると、小柄な少年が白線の向こうから歩いてくるのが見えた

「なあ、あんた」

「………」

如何にも軽い調子で声をかけてきたそいつは

「道教えてくんねえ?丁度この辺りの筈なんだけどよ」

「……は」

「井伊って家。久し振りだから忘れちまったよ。なあ」

「………っ、ぅ…………う」

静かに嗚咽を漏らしたぼくに、相手は悪戯に優しく笑ってみせた

「なあ、知らねえ?」

「…ぅ、」

家なら、ここにある


ふわり、広げられた両の腕を見て、その後はもう同じ鼓動を共にした

「おかえり、兄貴」

「…ただいま、人識」

数年振りの愛しい人の腕の中は、それはもう暖かくて、もう離すもんか、心の中呟いた









お粗末様でした!
前作の続編とのことでしたが、ぶっちゃけ僕自身わっけわっからーん状態です
なにこれ書きたいこと大杉る
え?でもこれ連載ものじゃなくね?
みたいになってこんなことに…
ぼ、僕のせいじゃないんだからね!←
なにはともあれ、僕としては二人をはっぴーえんどで終わらせることができて何よりです
実際は二人の物語はこれで終わりなんかではなく、むしろこれからがすたーととも言える訳です

元案協力して下さったつっきーに至上の感謝をこめて


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