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いざ!
和夜さま相互記念 *零僕

「なあ、いーたん」

「何」

「暑い」

「知るか変態殺人鬼」

「冷たい」

「…ややこしい」

茹だるような暑さの中、部屋の3分の2も占領しておきながら、零崎はぼくをじとりと睨んできた

「大体さ、」

「…」


また始まった


零崎の愚痴タイムin骨董アパート

「なんでお前はこんなに暑いってのにジーンズなんだよ。蒸れねえの?ああ、お前は不感症だったか、ごめんなデリカシー無いこと言っちまってあだあ!」

どこぞの誰かに鳩尾でも蹴れられたのだろうか
零崎はもんどりうって畳に倒れ込んだ


大袈裟な


「大丈夫?顔色が酷く悪いようだけど」

「…………殺す」

「ああ、丁度蚊が五月蠅いと思ってたんだ。気が利くね」

「……………はあ、なんかもう良いや」

溜息
…なんだよ
ぼくの方が大人気ないみたいじゃないか

「良いって何が」

無関心
君にしては珍しいその言動に、ぼくの心は少なからず揺れた

「いーたんが天邪鬼だからさー。いつも俺にだけ冷てえし。お前さあ、本当に俺のこと好きなのかよ」

「それは――――」

「それは?」

うつ伏せで寝っ転がっていた零崎が、急にがばっと起き上がって目と鼻の先に迫ってきた

「顔…………近い、。離れろ……っ」

「へえ?」

零崎がにやにや笑ったのが分かった

やばい

この雰囲気は

少々、まずい

「じゃあ、この位はどうですかー?」

「………!!」

「いーたーんさーん、何か言って下さいよー」

「………だから、近いってば!…このッ!」

不味い不味い不味い

両腕を駆使し渾身の力で押してもびくともしない

………糞っ

そこでふと気付く
両腕を畳から離すということは、つまり体が不安定になるということだ

零崎が急に体から力を抜いたおかげで、ぼくの体は安
定感を無くす

力が釣り合わなくなったのだから当然だ

「…わっ!」

腰と頭を畳に打ちつけ(地味に痛い)思わず声を上げてしまった

そこで、今の状況を認識した

零崎に、マウンドポジションを取られている

血の気が引いた

そう言えばこいつは体術に長けているのだった

「答え」

「な…に…」

「聞いてないんだけど?」

「そんなの知るかっ」

「言わねえの?言わねえんだったらこっちもこっちで
好きにやらせてもらうけど」

「何…ぅ、あ」

言うが早いか、零崎はぼくに覆い被さってきた
そのまま首筋に顔を埋め、強く吸う

「……っ」

無言のままどけ、と目で訴えるも、零崎の一笑に掻き消えた

「答えは」

「知らない」

「おい、そろそろ温厚な俺でもキレるぞ」

「これだから近頃の青少年はキレやすいとか言われるんだよ」

「………そーかそーか」


あ、まじぎれた


目が笑っていない不気味な笑みを浮かべ、零崎はぺろ
りと唇を舐めた

「―――っ」

その動作がいちいち色っぽくて背筋が凍る


と、零崎に見とれ……訂正しよう
零崎を睨んでいたら、首筋に噛みつかれた

「い…た……!」

噛み切られるのではないかという不安感

喉がきゅう、と苦しくなった

声をなんとか出そうとするも、掠れた小さな声しか吐き出せず、焦燥感が募る

噛んだ歯はそのままで、舌でなぞられる

痛いのかもっと別の感情なのか分からなくて、頭の中が真っ白になってくる

「言う――言う…から――」

零崎が顔を離した時を見計らい、ぼくはそいつに渾身の頭突きをお見舞いした

「…ってえ!!!」

呻く零崎を物凄い勢いで玄関まで引きずって、ドアの外に放り投げる

この万年発情殺人鬼っ!

「帰れ屑」

そう言い放ち、ぼくはドアを閉めかける

「っおい!」

「……あ、」

「……は、」

「好きだよ。じゃ、もう二度と顔を見せるなよ変態で屑な人間失格」

「……!!!」

言い終わるが早いか、バタン!と勢いよくドアを閉めて、ついでに鍵も掛ける

その日戯言遣い宅前では、体中真っ赤な人間失格がいつまでも座り込んでいたのか否かはぼくの知るところではない







end.







お粗末さまでした!
得ろ甘い…でしょうか
こんな駄作で宜しければ、和夜に捧げます
消化遅くてごめんね
改めて相互ありがとー!!
これからもよろしく!
お持ち帰りは和夜のみおっけーですよ





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