いざ! でんしゃのなか、ふたり ぼくと零崎は今、柄にもなく喧嘩中 何故かって言うと――― 「ねぇ、い―たん、俺遊園地行きたい」 いつものように勝手にぼくの家に来た零崎 「いやだ」 ぼくはわざとらしく目を逸らした いっつも勝手に来て、いっつも知らない間に居なくなってて、そんな風にぼくの気持ちを掻き乱して、居なくなる度にぼくは寂しくなって なんていじけたぼくは愛すべき隣人から借りた本を読み始めた 「?何怒ってるんだよ」 零崎はそんなぼくの気持ちも知らずに近くまですり寄ってきた 「怒ってなんかない」 「なんかあったのか?」 「……別に、何も、無いけど」 「何も無いんならこっち向けよ」 「やだ」 「何も無いわけないだろ!」 て、え………? 「何怒ってるんだよ」 今度は僕がなだめる側になっていた 顔を紅潮させ、俯く零崎 何この子 すっごく可愛い で、結局折れたのはぼく 当たり前と言えば当たり前 あんなに可愛い顔を見せられて(否魅せられ)てしまったのだから そんなこんなで、 「ゆっうえんち―♪」 などと目も当てられない程痛々しい零崎はこの際無視だ ―――全く、19歳にもなって遊園地に行くだなんて思いもしなかった 隣同士肩を並べて電車内に立っているぼくと零崎 この時間帯は電車内が混むらしく、ぼくと零崎はかなり密着した形 隣の零崎を見てみると、あ―とかう―、とか奇妙な音を出してうつむいていた がっくん 電車が大きく揺れて、自然と零崎はぼくに抱きつく形になった 途端、耳まで真っ赤になったぼくら 「お前がちゃんと吊革に捕まってないから」 「…………吊革に手届かねーんだよ」 「日頃からカルシウムを取って一日一善を心掛けている優しくて男前な戯言遣いを見習え」 「一日一善とは大層なこった一日一嘘の間違いじゃねえの」 「何を言うぼくほど善意溢れる嘘つきをぼく以外に見たことがあるとでも言うのか?」 「善意溢れる嘘つき、ね…それは善意溢れる殺人鬼てえのと同じ位傑作だあな」 「戯言だろ」 結局零崎はぼくの腕に抱きついて何とか電車の揺れをしのいでいた たまにはこんな痴話喧嘩も良いかもね、 ――――なんて、 戯言だ (本当はいーたんの腕に捕まらなくても電車の揺れなんてどうってことないんだけど) 今日は何をしようか 続き書きたい ( ̄∀ ̄) ああ、皆さんは砂を吐いて下さい。僕はその間にちょっくら血を吐いてきますんで。 |