[携帯モード] [URL送信]

いざ!
皐月の樹麓さま5000ふりりく *零僕

「いーたん」

「………」

「おいこらいーたん」

「なんだよ」

「この格好はなんだ」

「さあ。いつも通りに普段着だけど」

「お前の普段着はスカートなのか?」

「そうだよ。知らなかったの?」

「お前なあ…。女装注意されたの何回目だ?その癖、止めるようにいつも言ってるだろ」

「なんで君にそんなこといちいち言われなきゃいけないんだ」

「いや、いちお付き合ってるし」

「ぼくは君と付き合ってなんか無いけど」

「俺はお前と付き合ってる」

「………」





なんだよ零崎なんて





「なあ、頼むからやめてくれよ」

「いやだ」

「襲うぞ」

「襲えるもんなら襲ってみれば?」

はん、と馬鹿にした態度で笑ってやると、

「わっ」

あっという間に押し倒された

そのまま覆い被さってきた零崎を止めにかかるが、どうやっても離れない

両手が塞がれているのでろくな抵抗もできず足をバタバタとさせるも全く効いていないようだ

「ん?どーしたんだ?いーたんが襲ってもいいって言ったんだぜ?」

「っ、あんなの戯言に決まってるだろ!?」

「必死に抵抗してくれちゃってるとこ悪いけどスカート危ないぜ?まあ俺は嬉しいけどな。ヤり易いし」

「〜〜〜〜っ!!馬鹿っ!、やめっ」

「ん〜?」

いつまでも騎乗位でにやにやと笑ってぼくを見下してくる零崎が憎たらしい

「い…やだっ!はなせ!」

躍起になって足を動かしていたら、零崎の腹に見事クリーンヒットした

「ぐぇ」

なんだか変な音を漏らして零崎は畳に倒れ込み、ぼくの処女は守られた

まさしく危機一髪

「危なかった……」

「いーたん酷い」

「酷く無い」

「いーたんから誘ってきたのに…」

「誘って無い」

「じゃあなんでそんなカッコしてるんだよ」

「趣味だよ」

「いい加減本音言ってくれよー」

「だから趣味だって。知らなかったの?ぼくは変態なんだ」

「はあ…」











丁度1ヶ月前、僕は零崎に無理矢理女装させられた

その時の事は、このぼくの記憶力をしても鮮明に思い出せる

ぼくにとってはそれ程特別な日だった訳では無いのにおかしなものだ


その日、本当に久しぶりにぼくに会いに来た零崎は開口一番女装して欲しいなんてぬかしやがった


(いやだ)

(えー、いーじゃんかー)

拗ねたような顔をしてぼくを見る零崎に言葉を詰まらせる

(いやだ…よ)











***
確か今日は前回の邂逅から殆ど3ヶ月は立っていた筈だ

こいつはいつもそうだ

…正直もう会えないと思っていた

隣で寝息をたてる零崎を静かに見る






最近のぼくは、零崎をどうにか繋ぎ止めておきたい、そんなことばかり考えている



けれど

(……零崎、行かないで)

そんなこと今は寝ているから良いものの、本人に言えるわけがない


結局ぼくはまた、いつものように感情を押し殺して再び眠りにつくのだ


(眠る)


今日もぼくは臆病者のまま

目が覚めたら君は居なくなっていることを知りながらもぼくは目を閉じて、


ばいばい、零崎





***
翌朝、ぼくは心地良い暖かさに包まれているような感覚の説明を必死に考えていた

これは夢だ

夢に決まってる

こんなの有り得ない



いくらなんでもそんなご都合主義じゃあるまいし




……っ零崎が、ぼくの隣に、まだ、いる、なんて、


隣を起こさないように気を付けながら、枕元の携帯電話を確認する

10:00

じゅうじ……

流石に起きないと夜眠れなくなってしまう

ぼくは布団から出ようとしてハッとした


なんだか下がスースーするような

恐る恐る目を遣るとスカートが見えて、目眩がした



しかもその裾をがっしりと掴まれているため動けない

(はあ…)

幸いなことに今日は大学が無い

ぼくは起きることを諦めて再度眠りにつくことにした



(眠る)









***
声がして、ぼくは眠たい目をこすりながら起き上がった

(……なに)

(いーたん、おはよう)

(……なんで)

(ん?)

(…いや、何でもないよ)

(あ、いーたんまだそれ脱いでなかったのか?珍しいな。まあ俺は嬉しいけど)

(いいんだ)

(?)

首をかしげてぼくを見る零崎

(この服、もう脱がない)

(…………)


零崎が目に見えて固まるのが解った


決意した風に口を固く結び、ぼくも零崎を見つめかえす

(…かはは、まさかあのいーたんが女装を自らしようとしてるなんて)

(本気だから)

(ま、いつまで持つか見ものだぁな)

(……本気なんだってば)



その日から、本当にぼくは女装をやめなかった

大学にもその格好で行ったから、クラスメートには不登校だと思われているっぽいけど


不本意ながら軟派だってされたのだ

哀川さんにも(お前熱でもあるんじゃねーの?一回ドクターのところに連れてってやるよ)なんていわれたりした


勿論断ったけれど



そんな中ある日、零崎がぼくを訪ねてきた

(いーたん!だっだだ大丈夫か!)

(あ、零崎。6日振りだね)

(いーたんやっぱりその格好……)

(この格好がどうかした?)

(どうもこうもあるか!死色に連絡もらって来てみれば…)

(いいじゃん。ぼく、かわいいでしょ?)

(可愛いよ?!!とってもべりべりきゅーとで…ってちがあああう!)

(何が違うんだよ)

(い・ま・す・ぐ・に!女装をやめろ!)

(いやだ)

(いーたんのこんな可愛い姿を公然に晒してると思うと落ち着かないから!)

(やめない)

そんなこと言うなんてずるい

でも

やめるわけにはいかないのだ


そうすれば、君は―――


(おい、いーたん!聞いてるか?)

気付いたら零崎が心配そうな顔でこちらを見つめていた

(…ぅん、聞いてるよ)

(なんかあったのか)

(なにも無いよ)

(…はあ)

(……なんで君なんかに溜息つかれなきゃいけないんだよ)

(理由、どうしても言ってくれねえの?)

(自分で考えてみれば?)



そうなのだ

これは零崎に気付かれてはならないのだ

重い彼氏だ、と呆れられたくなかったし、
なにより、自分の嫉妬深さとか想像以上に君に依存してしまっている自分を認めたくなかったんだ

(…ぁ)

鬱々と考えているぼくを見て、零崎は言う

(俺、分かっちゃったかも知れない)

(いーたん、)

(…何)

(俺は、どんないーたんでも大好きだから)

(……なに、言って)

ああ、

(正解、だろ?)

だからぼくは、

(……っ大間違いだよ)

君のことが

(そりゃ失礼)

にへら、笑って見せる零崎に背中を向ける

(全然、違うから)

(かわいいっ!)

いきなり叫んだ零崎に抱きすくめられる

(っ離せ変態!)

(んー?)

(…へんたい、キスしようか)

(お生憎様)

(キスなんてお前からはさせてやんねーっての)

(ずるい)



いつだってそう

何も言わなくたって、君はぼくを分かってくれてるんだ











...end









皐月の樹麓さま5000HITふりりく「おせおせなぜろりんと女装いーたん」零僕でした
お持ち帰りは皐月の樹麓さまのみぉkですよ
零…押してますか壁∀`;)
こんな駄文で良いのだろうk
ぎゃぐにするつもりが途中からしりあすに…(汗)
文句は笑顔動画によろしくお願いしm(殴
いつも米ありがとうございます
つぎはきりりくですね!
りく待ってますー(^^)/






おまけ



あきゅろす。
無料HPエムペ!