ネタ置場 [霧雲]その2文字を飲み下す 本人からちゃんとその言葉を聞きたい、 そう思うのは当然でしょう? -------- 放課後の並盛中。ノックもせずに応接室のドアを開ける人間がひとり。 「雲雀くんっ!僕のことどう思います?」 以前から彼は、並盛中の応接室によく来ていた。それはもちろん雲雀恭弥が居るから。 「…………なに、いきなり」 突然の訪問者による質問に対し、雲雀はいつものように軽くあしらう。 「な!!? ひどいです、冷たいです!僕のことどう思ってるかですよっ!」 そして、いつものように雲雀に想いを叫ぶ六道骸。これがいつもの光景。 「たった2文字言ってくれればいいんです!えす、ゆー、けー、あい!はいっ!」 「うざい。」 「や、やめてくださいよ!うざいとか言わないでください!」 「………………、…」 雲雀の一言に、骸は半べそをかいている。雲雀は、なにかを考えているようで無言だ。 「ど…どうしたんですか…?」 「……君は、無理やり僕にその言葉を言わせて嬉しいの?」 「……え、」 「うん、いいよ 言うだけならいくらでも言ってあげるよ」 雲雀はその言葉を言おうとした。 骸が望んだその2文字。 「す……、んぅっ」 その言葉を言うか言わないか、 雲雀の口は骸の口づけによって塞がれた。 「んーっ!!うぅー…ッ!…っはぁッ」 「はぁ、……だ、だめです…」 「…何、聞きたいんじゃなかったの?」 「気持ちが、ない…と駄目です」 「……わがまま」 「僕は…こんなに雲雀君が好きなのに…、どうしてわかってくれないのですか…っ」 「……わお、泣いてるの?」 「な、泣いてないです…っ!」 「ふ、」 「笑わないでくださいっ…」 ぺろ 「………骸、あ、…………好き、だよ…」 骸の涙を舐めとった雲雀は、真っ赤になった顔を隠すように俯きながら言った。 それは決して骸に強制されたから言ったわけではなく、ここまで自分を想ってくれていることが素直にうれしかった。 「………ッ!!!」 それがわかったた骸は、たまらず雲雀に抱きついた。 「雲雀くんっ、大好きですっ!」 「……うるさいな、もう言わないから」 先ほど、雲雀は『愛してる』と言うのをやめた。調子にのる骸が目に浮かんだからだ。 「僕たちに、愛はまだ早いね…」 「え?なにか言いました?」 「……なにも言ってないよ…」 「そうですか」 骸はにこにこしながら言った。 「僕は早くないと思いますけどね」 END. ----------- 雲雀の言葉を飲み下した骸と、 自分の言葉を飲み下した雲雀でした。 どうしてうちの骸は受け臭いのか… 読んでくださりありがとうございました! [*前へ] [戻る] |