╋ぱちぱち╋ ◆幸せを降らせて◆◆ラビュ 「今日見た映画楽しかったさー。」 「まあまあいいんじゃね。」 「んー…じゃあ、今度はユウがまいったっていうくらい面白い映画探して来るさ!」 握り拳を作って燃えている明るい髪色のバカに、俺は出来るもんならやってみろと笑ってやる。 ラビと遊んだ後に、小さな頃から慣れ親しんだ公園に来るのはいつもの流れだった。 「それにしても、寒いな。」 「ユウはいつも薄着なんさ。コートの他にマフラーぐらいは必需品!」 そう苦笑しながらもこいつは自分のマフラーをとって、俺にくるりと巻く。そのラビのマフラーはふんわりと温かく、ラビの匂いがした。 「……あったかい。」 ぼそりと呟いてから、急激に顔が熱くなるのが感じた。気遣いが嬉しくて、心まで暖かくなって、そんなふうに感じた自分はなんだか恥ずかしくて堪らない。 「ユウ、顔真っ赤さ。」 可愛いと、整った顔を思いっきり崩しながら、笑うラビの笑顔は嫌いじゃなくて。 照れ隠しにバカ……と小さく呟いた。 「チューしていい?」 「……聞くな。」 触れるだけですぐ離れる、だけれど甘いキスは熱を孕んで、どきりと心臓がはねた。 好きだと訴えているように鼓動は大きく、速く、なんだか困ってしまう。 眼差しが絡み合い、微笑し合うと、ラビと俺の間に真っ白な雪がゆっくりと落ちてきた。 空を見上げると、薄暗い雲から大きめの純白が街を包んでいくところだった。 「牡丹雪か。」 「積もるといいな。」 「雪かきが辛い。」 「年寄りみたいなこと言わないんさー。」 笑い合って、帰ろっかって声にひとつ頷いた。 そっと繋がれた手は、歩いてるうちに片方だけあたたかくなっていった。 積もったら、一緒に雪だるまでも作ってやるのもいいかもしれないな。 そんなことを考えてしまうほどに。 *おわり*** ほんのり幸せいっぱいなラビュでしたv ありがとうございました☆ 一言ありましたらどうぞ〜。 [戻る] |