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お礼に小説でも…

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  キミが来るまであと2時間。
  どうやら待ち合わせの時間より、早く着いてしまったようだ。

  しょうがないじゃないか、嬉しかったんだから。久しぶりの休みだし、最近は電話やメールだけだったんだから。


  「まだかな、イザーク」


  なんて。待ち合わせのお店の前で腕時計を見ながら呟いてみたりして。

  こんなことなら、寝坊してくれば良かった。そうしたら、きっとすぐイザークに逢えたのに。



  キミが来るまであと2時間。電話をして話せばあっという間なのに。今はちょっと長く感じられる。

  足元の水溜まりを見ながら、ため息を吐いた。
  洋服、地味すぎたかな…?イザークはこういう服、あまり好きじゃないかもしれない。



  「貴様、何をしている」


  途端、声をかけられた。
  弾かれたようにそちらを見れば、紛れもなくイザークがそこに立っていて。


  「イザーク?」


  少々ご立腹気味の彼。
  何かあったのだろうか。


  「貴様、今何時だと思っている」

  「え?」

  「待ち合わせは1時だろうが!」

  「知ってるよ。だけど楽しみで…早く来た」

  「馬鹿か、貴様…。ガキじゃありまいし」


  素直に言えば言ったで、イザークは俺を睨んでくる。

  なんだよ、イザーク。お前だって早く来たじゃないか。


  「何が可笑しい」


  どうやら顔に出てしまったらしく、緩んだ顔を慌てて戻す。


  「何でも?」


  取り繕うため、久しぶりにイザークの腕をとった。恋人同士がやるみたいな感じで、イザークにべったりとくっつく。


  「全く…。行くぞ」


  引き離されるかと思ったが、それはなかったらしい。

  なんだか、今日のイザークは機嫌が良い。


  一緒に歩きながら、ふとイザークが俺を見ながら呟く。


  「服、その……似合っている…」


  イザークにとっては、きっと精一杯のほめ言葉。


  「ありがとう」


  それがすごく嬉しかった。


  あながち、早く出てきたのは正解だったのかもしれない。

  今度もはやく来ようかな…?
  なんてな

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××ありがとう 
 ございました××

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