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2023-02-18(土)
この十年を振り返る

サイト開設からこの十年で僕が書いた一次創作を思い出せるかぎり振り返ります。
覚えている限り、だいたい書いた順です。
当然忘れているのもあります。もし「これは?」というのがあったらこっそり教えてください。
いざ。


・おとぎ話とhappyend

走馬灯シリーズ全体の原作であり前身であり旧作。
サイト開設から最初の二年はこいつの連載をしていました。

大きく十個の全く異なる長編を少しずつ関連させながら繋げていく構想のもとに書き始められた大長編でした。
本筋が十話進むにつき一話のペースで他の話からは完全に独立したルーフュー関連エピソードが挟まり、本筋が綴られる合間に少しずつ進んでいく構成でした。
一つ目の長編を書き終え、二つ目を書いている途中に挫折しました。

というわけでまず一つ目の長編(一章〜三章)の話をします。
便宜上「花の話」と呼びましょうか。
内容としてはエフストに見あパラ一章が含まれていた感じ。

「花」に触れた衝撃で記憶を失った成が、団長不在の秘密基地で世話になりながら、なんやかんやで森に囚われた青空(高瀬青空とは似て非なる別世界線のすがたでした)を助けに行き、森を消失させるまで、の一章。
一章の二年前、秘密基地がもっと明るく賑わっていたころのこと、かつての秘密基地に通っていた者たちそれぞれの事情の掘り下げと湊月咲の活躍と、月咲が森に関わってしまい失踪するまでを書いた二章。
そして時は二年後に戻り、長い遁走から帰ってきた月咲と、記憶の戻った成が、力を合わせて町の悪夢障害の蔓延に対処する三章。

といった構成でした。
こうしてみると大枠は「花に触れてしまった被害者の会で徒党を組んで花をぶち壊す話」です。
そんでエフストがこれの直接のリメイクというわけだ、なるほどねえ。
湊松理は本編での活躍は無い完全な故人で、かつて月咲の目の前で自殺したという設定でした。感知系なのと軟禁され隠されて暮らしていたことはエフストと同様です。
森関係の騒動での本来のヒロインは青空だったわけですが、エフストを書くにあたって見あパラの高瀬青空と紛らわしい存在を出すのもなぁ……となって湊松理を流用してああなりました。

でも花や悪夢関係の本筋に沿った話は当時あまりしていなくて、モブにもひとりひとり焦点が当たって少しずつうろちょろと全員の人生を掘り下げていく作風だったと思います。特に家族まわりの掘り下げが多くて、メインキャラだと親世代の話まで丁寧に書いていた覚えがあります。
おとハピの峰沢紅は成の誕生直後に自殺している、とか。

ところで成と言っていますがおとハピにおける「高橋成」とは記憶の無い間だけの偽名で、彼の本名は「言谷夕(ことやゆう)」といいました。黒髪に赤い目の少年でした。(なお海間日暮はこの作品が頓挫した後に夕のリメイクキャラクターとして生まれます)
夕と青空は義理の兄妹でした。同学年ですが夕が11月9日生まれ(現在の成と日暮もそう)で青空が1月7日生まれで、青空には実の兄がいたので、上から、青空の兄、夕、青空の三人きょうだいでした。苗字は全員言谷です。
夕のもつ異能は「否定」、月咲のもつ異能は「肯定」でした。二人揃うと全能で最強っていうダブル主人公構成です。
あと言谷青空は確かひょんなことで魂がアカシックレコードに繋がってしまっただけの概ね普通の少女だったと思います。外見は高瀬青空とほぼ変わりません。なんか彼女が森を出てしまったら世界たちの記憶の蓄積がパアになってしまうとかで森から動けなかったんですけど、夕が青空を助ける!つって全部ぶち壊し、世界から大量の記憶・記録が失われました。それからの言谷青空は世のあまねく思い出を見捨てたという大きな罪悪感を誰にも言わずひとりですべて抱えて生きていくことになります。あと確か火恐怖症でしたね。だいたい高瀬青空概念ですね。
言谷青空の兄の話もついでにしときますか。名前は翔(しょう)です。久本晶とは関係無いです。几帳面で心配性でハイスペの、今で言うと津名戸倖貴に近い感じのキャラだったんじゃないでしょうか。青空にめちゃくちゃ甘いお兄ちゃん。一章では、花に触れて記憶喪失となった夕のことを青空を見捨てて逃げたものと勘違いして夕に猜疑の目を向けますが、なんやかんや記憶が戻るように色々手伝ってくれるヤツ、でした。
今の感覚で言えば、倖貴と青空と日暮が全員家族だった世界線、というわけです。
慈愛はあれど恋愛のれの字もない作品でした。

あと言うことは……おとハピには青柳俊の遺書が全文載っていました。青柳俊は秘密基地の一員でした。
好きなシーンだったので細かく覚えているのですが、死にかけた黒猫を助けようとして自分も死にかけた青柳俊を月咲が異能で助けるというシーンが二章にありました。俊は「助けなくてよかったのに」みたいなことを言ってた気がします。その数日後に俊が自決して世界隊解散騒動が起き、秘密基地の空気が通夜になる。
俊と朸がけっこうたくさん軽口や嫌味を言い合う仲で、しかし憎しみやすれ違いもあり、描かれ方としては海俊より俊と朸の方がBL色が強かったです。
おとハピの世界隊解散騒動では俊が海も朸も両方殺したので、同級生組は三人とも同じ日に死んでいました。

あとは……そう、一章では月咲が失踪しているので、何もかも背負ったみたいな顔をして秘密基地を守り続けるウミくんのすがたが見られましたね。かわいいね。
うみつきは当時から俺的覇権CPでした(CPとは言ってない)。いえ失礼。当時はつきうみでした。旧作の月咲は弱さよりも遥かに頼もしさを感じさせる青年で、どこにも付け入る隙がなく、つまり攻めでした。? 恋愛要素は無い作品でした(重要なので繰り返しておく)。
ウミくんの話でいくと、「小学生の頃、村塚隼を学校のベランダから突き落とした」という過去を持っていました。エフストでは「かもしれない」なんですけど、おとハピでは事実です。村塚は幽霊ではなく普通に存在するクラスメイトでした。
突き落とされた村塚の行方はというと、三章で夕が違法異能組織に拉致監禁されたとき監視の下っ腹してるんですよね。
村塚は当時から神出鬼没で意味深発言するモブでした。

あと確か園がはっきりと二重人格設定でした。境遇はさして変わらずです。情報屋をするうちに違法異能組織から狙われるようになり、月咲が助けたりしていました。
二章最初のエピソードがそれだったのは覚えてる。
そこから二章中盤で青柳俊が死ぬ。

平和の影で異能者を狙ったり抱えたりする違法組織が大小乱立している世界観で、殺し殺されるような話から学校のいじめや精神疾患、毒親なんかのごく身近な話まで、いろんなネタがごっちゃごちゃにぶちこまれている作品でした。
そんなきな臭い現代ファンタジーな花の話はいちおう完結まで連載され、

その次にはがらっと世界観を変えて、島の話が始まりました。

おとハピ四章。現在のエフストの伊田紫月の出身世界です。
異能者たちが地図にも載らないけど?離れ島に隔離されて生活している世界。栫井忠が島と本島をつなぐ外交官をしていました。紫月は島の有力者の隠し子で、力が危険すぎるがゆえにほとんど監禁されて暮らしていました。紫月の本名は一門(いつかど)紫月です。性別は女の子と明記されていました。
紫月が「消す」力、忠がテレポーターなのは、今と変わりありません。
島の話は、二門藍と澪が主人公でした。今と違って澪はちゃんと藍より年上の正統ねえさんでした。姉弟の異能は、「結界」です。二門家も島の有力な家系で、結界の力で島の隔絶を常に守るのが仕事でした。姉弟は二人で仕事を投げ出して島から逃亡し、本島を旅しながら追手と駆け引きをしたり本島のひとびとと交流したりする。そんな話でした。
途中で滅亡現象も起こって、姉弟の乗っていた電車が突然砕け散るシーンなんかがあったと記憶しています。

あとなんかこれはまだどこにも使い回せていないんですが、客に「物語」を支払わせる何でも屋が登場していました。どこにでもある海沿いの町の住宅街の中腹で、一般家屋で個人経営で、引きこもりのお姉さんがいとなんでいた不思議なお店です。
どっかで使い回したいですね。

この四章というのが、なかなか書き進められず、執筆が頓挫しました。
更新停滞。やがて削除へ……
完全に削除されておとハピはもうどうしても読めません。あまりに惜しい。なぜ消した。
でももう読めないとわかっているならいくら語ってもネタバレではないので語りやすくていいですね。


・フールちゃん

話のタイトルを完全に忘れたのですがフールちゃんのことは覚えています。怪力、破天荒、無駄に意味深なことを言うただのバカ、イマジナリーフレンドと会話している。三つ編みショートヘアの女子中学生。
初めて「自分をキャラクター化する」という取り組みをした子でした。
あれ確か友人の創作世界観をお借りしたコラボ作だったような気が?


・蒼空の歌姫

歌手として活動している青髪の少女が正体を隠して普通の女の子として普通に生活しようとする話。けっこう長めに書けていた気がしますがいつの間にか消えてたな……


・letter

親友が死んだ中学生男児が主人公の陰鬱ホラー作品だったような、気が。
主人公がかわいくてすごい推してたはずなんですがほぼ全部忘れました。確か名前は響(ひびき)だった。


・黄色いチューリップの話

タイトル忘れた。いじめと初恋の話だった気がする。長めの短編。真冬の夜の土手で安っぽいカッターでダウンコートが割かれるシーンだけ覚えています。


・Disappear

死んだ日常を生きる世界の前身。中学生男児の自殺の話だった気がしないでもない。


・サイト一周年の時に書いたSS

一面の星空を歩き続ける少女の話。


・神の子と寒冷少女

旅する少年が忌み子の少女の心を開こうと&不当な差別をなくそうと奔走する話だったと思います。長めの短編。5億年くらい読んでいませんが実はまだデータが残ってる。いま思うと主人公の像がルーモくんに近い。


・マジでタイトル忘れた

病的な怪力をもつ孤独な兄弟が普通の学校で普通に生活しようとする話。兄弟の苗字が安良田川だったこととチャリ通学だったことしか覚えてねえ。
現実的でシビアなラブコメを書きたかったらしく細かなプロットが残っていますが序盤しか書かなかった。


・夜明けの空から

Dawnの原作。王族ものファンタジーをやろうとして挫折したもの。
アストが王様でフィエが家来だったので主従が入れ替わってる。魔法が使えるのもアストの方だった。フィエは剣士でした。なおフィエの名前はフィウでした。
「喫茶店トラッシー」の初出はなんとこの作品でした。城下町の路地裏にひっそりとあった。
アストがフィウ(王直属の親衛隊)の目の前で前王を殴り飛ばして即位するとかいうのが冒頭でした。アストに殴られて王座を降りた青年がトラッシーに入り浸ってのんびり暮らしていた。
確か「空の上」と地上の戦争を書きながら魔法というものへの考察を深めるみたいな話にしたかったと思うんですが、挫折しました。


・This dream for the world(旧)

読んだ覚えがある人もいそう。サイトで書こうとして序盤で挫折し消したことも数回ありましたが、一度なろうでそこそこ長く連載が続いたことがありました。途中からそれをサイトに移してきてました。
少年少女が夢を通して平和現代と殺伐近未来を行き来しながら文房具で純白の何かと戦う、明るいラノベノリのバトルファンタジーです。明るいラノベノリがなかなか続かなくて毎回挫折してる。
ワンチャンこれからまた書くかもしれないのであまり語らないでおこうかな。


・たくさんの掌編

掌編量産期が存在しました。
絵を描く少年の話、瓦礫の山の話、雨の降りしきる街の路地裏で死ぬ話、蜥蜴の死骸を踏む話、紅茶のむだけの話、腕を失くして自殺する少女の話、冬の夕燃えの話、
まあなんかいろいろ書いた気がします。だいたいデータが残っているはずですが自分ではぜんっぜん読んでいないのでほぼ忘れました。


・死んだ日常を生きる世界

出ました。初期朝の光の代表作です。
おそらくこれまで僕の出した全ての作品の中で最も多く読まれているものです。
1万文字ちょいなので今の僕の感覚では短編ですが、当時の僕にとってはちょっと長めで、長めのものを初めて完結させたぞ! ってうれしかったのを覚えています。
感情のない少年が自殺をして、なんやかんやで感情を得た上で転生する話です。転生しますが「まったく同じいつも通りの日常」に転生しています。
なんかそんな感じでタイトル通りの話です。


・キーパーソンの法則

来ました。初期朝の光の代表作その2です。
未だに見あパラより読者が多いと思います。中学時代の僕の最高傑作です。受験勉強と並行してキー則のために脳科学や物理学の教科書を図書館に引きこもって読み漁る日々でした。バカ?
人口爆発に悩まされる近未来、身寄りがないとか犯罪歴があるとかの問題のある子どもを、人体実験に使うことが公認されている――とかいう過剰な科学崇拝世界観で、国連が運営する最高位の科学研究所である「フィルニール研究所」が舞台です。
地の文ではキャラクターが全員識別番号で書かれていました。あれ好きだったな。
主人公は2635108。名前はチェロ=ウィノウ。脳にAIとデータベースが入れられている人工天才の少年。Silver-grayのロボットの彼です。Silver-grayの「墓標」とはフィルニールの跡地です。
フィルニールに暮らす子どもたちの交流やら戦いやら。世界の滅びやら救済やら。
懐かしい。キー則はいいぞ。とても読みやすいラノベで。
シリーズとしての設定齟齬などを直したくて今はリンクを下げています。早く修正版出せ本当に。はい……

実は「走馬灯シリーズ」を構想したのはこの作品を書いている途中のことでした。
キー則を書いていた時はまだおとハピが存在していたのです。が、執筆は完全に止まってしまっていて。
「おとハピの執筆継続はもう断念して、別に新しくいろんな作品を書いてシリーズとして繋げればいいんじゃないか」、と思い立ったのがキー則を書いている途中のことで、そこから急にサイトの体裁を整えたり、ルーフューの最期の話を書いてシリーズ一覧の一番上に置いといたりした覚えがあります(今は下げています)。

なお、朝の光が突然世界を滅ぼし始めたのも同時期です。
それまでは書いていなかったのです。滅びを。
本当です。いや掌編で退廃的なものを書くことはありましたが、大規模な滅びはキー則からです。
いったい何に取り憑かれてしまったんでしょうね。


・キョウ

キョウと読む漢字を六つ取り上げてそれぞれをテーマに短編を書き、朗読して収録する、とかいうプロジェクトをやっていました。
その中の「郷」が空色の旅路を知る者はの前身となっています。
あとのことは忘れた。


・FSコラボ

フォロワーの創作世界観に高瀬青空をぶちこんだ話をそこそこしっかり長めに書いていました。サイト内に現存している最古の高瀬青空です。ちゃんと見あパラの高瀬青空で、言谷青空とは無関係です。
兵士として軍に雇われ、ひたすら人を殺し、寂しそうに泣いて笑う高瀬青空でした。
日暮の同位体も僕が勝手に出していました。人のいい青年兵士でした。

無関係な余談ですが、このコラボ相手のフォロワーだった七夜レイヤさんは、うちのキー則のミラちゃんと梨美恵のカップリングを誘拐してご自身の世界観にぶちこみ、梨美恵を薬漬けで発狂させ監禁し、ミラちゃんに大量虐殺させて梨美恵を助けに行かせる、とかいうヤバい血みどろ二次創作を長編でぶちかましてくださったことがあります。最高すぎんか。なおみらりみは公式ではくっつきません。
もうTwitterを卒業されて長い方です。お元気だといいな。


・Leear(旧)

読んだ覚えがある人もいそう。リメイク前です。爽やかで楽しげな冒険バトルファンタジーでした。シアリューの交流をかなり細かく書いていて、長編でした。この時点ではシリーズ内で書いてはいなかったので、終末感は今のLeearより薄かったはず。
「谷底」にシアリューがカチコミに行く展開が存在しました。確か谷底での戦いが最後まで書ききれなくて挫折したんじゃなかったっけ。


・Lost Remembrance

このあたりで僕が高校に上がっています。
ロスリメは死んだ日常を生きる世界の対みたいな扱いをよくしていた短編作品で、これもかなり多くの人に読まれていました。
死期の近い病気の少女の生き霊が学校生活を送る話です。
正直あまり覚えていませんがキャラ名がすごく好きだったな。
主人公の少女は秦野瀬灯(はたのせとう)、ヒロインが紀ノ川砂泉(きのかわさずみ)と言いました。キラッキラですが景色描写系ネームっていいなのきもちです。


・見上げた空のパラドックス
はい、辿り着きましたね。現在の代表作です。
そもそも見あパラは確か中三くらいの頃から何度も書こうとしては諦め書いては消しをサイト上でも繰り返していました。サイト外つまりローカルだと小学生の頃から毎年毎年書こうとしては諦め書いては消し……をしていました。ただ高一の頃に始まった見あパラが今も続いている成功例だというだけで。
いやまあ一章を書き直しで下げちゃったので実質存続しているのは二章から先であり、そうするともっと順番が後なんですが……細かいことはいい!

旧一章の話。
一章の最初の方を書いては消し、というのを何度か繰り返し、そしてついに完結まで書くことができたのが、2016年7月28日から書き始めた旧一章でした。
ほぼ全編が高瀬青空の一人称視点で語られ、青空の知らないことは一切描かれない、というスタイルでした。だから物語の全貌は明かされないまま、青空が見た景色だけ駆け抜けるように語って終わるものでした。
死体と血と路地裏。罪を重ねること。ひとであること。音楽と信頼と海。

あれはあれでフレッシュで勢いと激情と没入感があり良いものだったのですが、展開が無理やりすぎたり描写が雑すぎたり、今の僕が読むとけっこう違和感があります。
何故って、見あパラが最初は「遊びで気楽に、自分だけのために書くぞ!」と決めて、手を抜いて書かれたものだったからです。
キーパーソンの法則をかなり読者ウケを意識して慎重に丁寧に書いていたので、その逆張りというか反動というか、でした。

旧一章くん、篠青空の関係性がかなり主軸に置かれていたはずなんですが、当時の僕は本当に本当に本当に青空にしか興味が無かったようで、篠くんの、というか青空以外の全員の人間性に関する解像度が低いとしか言えない感じでした。
書き直して現在改善中です。

一章にはおとハピ二章の世界隊エピソードを過去編として盛り込んでいます。なぜか鹿俣朸が生き延びてしまいました。かわいそうすぎる。


・世界という名の恋人へ

なんか挟まります。なぜなら書いた順の振り返りなので。
エッセイ集です。
僕が「深夜の誰もいないプラットホームって激エモ」みたいなことをほざきまくるだけの散文詩詰め合わせみてえな作品です。
若い、芽生えたての感性が保存されています。みずみずしいな。


・空色の旅路を知る者は

一時期はこれが代表作だったと言ってもいいくらいの、読みやすくて良質でいい感じの短編作品でした。ゲーム化もしたしな。
実はこの作品はお世話になっておりますフォロワーさんの雪山ユウグレさんから「朝の光さんの作品はいつも少女を要石にしているイメージがあるので、少女禁止で作品を書いてみてほしいです」と言われて書いたものでした。
そういうわけで少年ふたり旅です。空色の髪の双子が退廃的な世界観をなかよく旅していきます。
「傍観者」がでてきます。世界が滅びます。シリーズ作品としても鋭利で光っている。
未読の方は読んでみるといいと思います。


・見あパラ二章

本当に大変だった!
と今でも思います。
三回書きました。連載して、連載途中で展開の矛盾に気がついて消して、また連載して……当時の読者さんには本当に申し訳なかったです。
あまりに申し訳なかったので、「絶対に最高で最高で最高の作品にするから待っていてくれ、許してくれ」と言って、ここから見あパラを本気を出して書くようになったわけです。

荒野、瓦礫、朝焼け、無の在り処の肯定、意志をもって生きて死ぬこと、いつかの思い出になるということ。

最初は冰千年が名もないモブだったんですよ。誰だお前。
金桐町の事件がかなり長尺でがっつりと描かれていました。金桐町で不死身組が戦闘するシーンもありました。
日暮が久本圭の直属の上司で、けっこういちゃついてる(?)関係性でした。
灰野誠也がかなり容赦のない冷徹なリーダーという感じで、青空に銃弾をぶちこんでいました。
一周目の記憶はこれくらいしか残っていない。
えっちでしたね。全体的に。?

二周目で冰千年がメインを張り始めます。
かずみちゃんがライフルで高瀬青空を蜂の巣にするシーンがあったり、青空がそれでファリアから逃亡したのを久本晶が助けたり、
久本晶の頭がよすぎて完全に自力で世界の秘密に辿り着いて冰千年とタメを張っていたり、青空の命の在り方の真相に気がついて言及していたり、
晶青空VS日暮が市街戦を繰り広げていたり、晶青空VS圭ちとが市街戦を繰り広げていたり、
プロトタイプちゃんと千年の深めのキスシーンがあったり、
……という感じでした。正直二周目二章は今でも没が惜しいと思うほど、かなり面白いです。

三周目が今の二章です。
千年の暗躍がぐんと増え、無用でリスキーな戦闘があまり起こらなくなったので、二周目と比べるとけっこう大人しい話になっています。
大人しくなってもあれなのだから、二周目がどれだけ血と硝煙の飛び交う話だったかがわかりますね。
三周目もOK出しただけあってとても好きです。86、87あたりを書いたときはしんどすぎて一週間くらい立ち直れなかった記憶があります。執筆楽しかったなあ〜! 病んだけど〜!!


・空想世界滅亡集

高校の文化祭で出した短編集です。
たぶんおそらく一応シリーズ作品なのですがサイトで読めません。ごめんなさい。カクヨムにあります。
内容は完全にタイトル通りで、たくさんの滅びが詰まっています。
表紙絵が未だにめちゃ好き。六時間かけてチマチマチマチマ描いた瓦礫の海、に佇む少女の背中。


・Blossom for Ark

高校の文芸部で引退する先輩のために希望のある話を書いてくれと言われたので書きました。
テラフォーミングする話です。
『船』内のしっちゃかめっちゃかな近道を開拓して内緒だよって笑い合うカナとリオの夢をたまたま見て、起きて、その日のうちに書き上げました。
夢で見たものをパッと書いただけなのでシリーズ作品の感は薄いです。希望のある話だしな!


・Leear(現)

今のLeearです。高校の文芸部で「旅立ち」をテーマに40ページ書いて!よろしく!と言われたので書いた中編でした。Leear旅ものだったしちょうどいいからリメイク書くか〜、って。
「トリップ系夢小説」への風刺みたいな作品でもあります。物語に恋した少女と、恋された物語の主人公だった少年が対話をするだけの話。
旧Leearよりもシアリューの関係にとげとげしさや陰鬱さが増しています。爽やかバトルファンタジー要素が激減し、もやもやとした作品に仕上がっています。って執筆当時の僕は言うんですが、今の僕が読むとけっこう爽やかさを感じます。若さなのかなあ。
銀色の畑に映える夕燃え。
なお、詩愛ちゃんは数年後に海間日暮と同棲します(Scarlet)。


・Fictional forest

二章完結直後に書きました。「花」の話をしなければならないと思って。
そう、おとハピのリメイクです。基本的に花の話(一〜三章)のリメイクですが、紫月をぶちこんだので島の話(四章)要素もなくはない感じのリメイクです。
忘れないこと。忘れたこと。君がいなくても生きてゆけること。

月咲がずいぶんなよなよしたなあと思います。俺たちの頼もしい団長はどこに!? いや団長は今も頼もしいんですが……おそらく『湊松理』の攻撃力が増しすぎて月咲がボコボコにされちゃったんですね……。
成もおとハピの頃は主人公だったこともあり太陽みてえな顔をして俺が全部救いますみてえなノリでにこにこしていましたが、エフストでは完全に儚げヒロインと化しています。何故???
ダブル主人公だったはずなんですが……不思議ですね……。
園とかウミくんとかはあまり変わらない気がします。
そうして花の話をできる限りなぞりつつノリと勢いで書いたら湊松理が大暴れしました。

なんなんだ。
つらかった。つらかった。エフストを書いていたら鬱を発症しまして、書けば書くほど悪化しました。
何!?
これを書いている途中に僕は大学に上がりましたが、「いやまあ僕、いま終活中だし……」のメンタルで絶対に友達を作らず後腐れを残さないというムーブを初日から決め込む羽目になりました。
エフストくん!?
メンタルダメージが本当にでかくて、空きコマに大学の共用ホールで最終章を書きながら、「嫌だ……嫌だ……そんなの嫌だよ……」って半泣きでぶつぶつ呟いていました。
病院に行け朝の光。
エフスト完結がトラウマすぎて、あれから書いている物語の終わりが見えると恐怖にすくんでしまう身体になりました。
絶対に許さねえ。それがあの作品への礼儀だと思っています。後生恨むわ。
エフストを書き終え、気持ちが見あパラに戻るにつれて鬱がよくなり、かなり安定しました。今も湊松理のことは考えない方が身のためです。
??????

ちなみに僕のエフストの推しはひめき市です。
地方都市は良い。


・延命措置

エフストで発症した鬱から生まれた産物で、在処ちゃんの原作で、六割くらい僕の実体験です。
永久死に損ね概念。


・見あパラ三章

俺たちの三章です。わーい!
冬の感傷。少年少女の意志と存在。忘却と記録。許すことと許さないこと。結局何も無かったね、と笑い合うだけの話。
見あパラの高瀬青空のど真ん中の高瀬青空が観測できる最高概念章です。

ここまでくるとかなり最近な気がしますね。
記憶に新しいです。書くのが楽しかったことと、ゆっくりしか書けなくて焦ったこと、完結間際で怖くなってうだうだとすくんでいたこと、完結して人生最大の鬱に見舞われてマジヤバかったこと。
結果的に書けたのならいいんだよゆっくりでも。病院に行け朝の光。
ちなみに景広のいる養護施設がキリスト教のところだったからという理由で大学一年の頃にめちゃくちゃ福音書の勉強をしていたんですが、あれは役立ったのだろうか……?
あと確か書き始めて半年くらいは「キャラクターとなかなか仲良くなれない」と言って悩んでいた覚えがあります。
二章で性癖詰め込みをやりすぎたので、もう新しくキャラクターに詰め込める好き要素が残っておらず、僕が新たに彼らのことを好きに「なる」のに時間がかかりました。
おかげさまで性癖拡張、完了! めでたい。

何故どこから水野景広が遺書を書こうと言い出したのかは正直不明です。
が、二章完結直後に作った見あパラPV@でもう「遺書を書こう」が出ていたので、まあその頃にはどんな話になるか定まっていたんじゃないでしょうか。かげそらに関してだけは。

アルマの周辺はマジのガチで書きながら指先から突然生まれました。
そういうわけなので異能管理組織抗争関連も当然アドリブです。
え?
よくその書き方で二章みたいに書き直さず済んだよなあと思います。

三章のラストシーンはもう何年前から決まっていたのか思い出せないほど長いこと決まっていました。水中で眠る高瀬青空。
ただそれが書きたいだけだった。ずっとずっと目指していた景色でした。

あとはそう、Blankの話もしないと。

Blankのことは今さら語るまでもない気はしますが、「走馬灯シリーズに既出の全世界観をオムニバス形式で登場させる」のがやりたくて書いたものです。
Phialよりもice-greenを先に書いたせいで設定に齟齬が出ています。
この時点で本当は高瀬青空側の永遠についても書きたかったのですが、この時点では書けませんでしたね。


・青の送別

歌集です。僕が高校の頃から詠み溜めていた短歌をいい感じに並べかえて書き下ろしを足した文書。
在処ちゃんの本編です。在処のTwitterアカウント(wavexisting)や、YouTubeにある楽曲「君と、逃避行記」の概要欄などから読みに行けます。
青色の音楽と失ったものと忘れた恋と、冷たい夜や悪夢への不安と安堵と、それでも続く日常と夕焼け。


・Phial

短編集を出そう!と思って、じゃあなんか書き下ろしするか!になって、勢いつけて4日くらいで書き上げたものです。
神様になり損なった少女と信徒の話であり、被験者と科学者の話。

これの初期構想は見あパラやおとハピよりも古いです。確か僕が8歳や9歳くらいの頃に考えていたと思います。
人体実験によって不老不死化させられた、機械の翼を持つ少女。実験の後遺症で目が悪く、特殊な形のヘッドセットカメラを脳に接続して感覚器の代用としている。
この構想がなんやかんや紆余曲折してやがて高瀬青空に繋がっていったわけですが……。

8歳の頃の構想では孤独に永遠に旅する少女ひとりの話だった(見あパラっぽいですね!)のですが、短編としてまとめるに当たって新たに実験した側のドクターを出しています。
Phial一話目を書いたのは実は見あパラ一章を書いていた頃くらいで、その頃にはもう短編としてリメイクするつもりはあったみたいですね。あったからice-greenを先に書けたわけですが。
二章やエフストを書いた後でなければ、ドクターを感知系にして神様概念戦争にしよう!とはならなかったでしょうから、タイミングと巡り合わせの集積によってああなった感があります。良い巡り合わせ。

ところで「天使」絶対もうひとりいるんだよな。実験成功が確認された時の個体が。
どうなったんですかね。口封じに殺されてないといいけども。


・ライブハウスDawnのロックンキラー

ノベルアップ+限定で現在も連載している異世界ファンタジー長編です。シリーズ外。
音楽、魔法、日常、激情、殺意交錯。
世界は音楽でできている。
何でも屋を営む魔法使いのカラッとした性格の少女が神殺しの欲求を抑え込みながら日常を送る話、だったり音楽家たちが殺意を飛び交わせていたり運命と世界構造に焼かれる悲劇の話だったりします。
夜明けの空からの要素をちょくちょく拾いつつ、Twitterでたびたびやっていた単発キャラデザ系の遊びで生まれた子達を全員ぶちこみ、僕自身の人生と感傷をスパイスとして振りかけ、音楽!音楽!!音楽!!!と声高らかに釘バットを振り回しながら強火で煮込んだらなんかできてました。
なんだこれ。
わけのわからないトンデモ神学物理学ファンタジーですが、面白いことには間違いないと思います。

一番意味がわからないのは最初の10万文字をほぼ二週間くらいで書き上げていること、ですがね…………(?????)


・見あパラ一章過去編

世界隊の話、とか、少年たちの話、とか呼ぶことがあります。
青柳俊、藤崎海、鹿俣朸の見あパラにおける正史を二年くらいかけて書こうとして、完結させられず、挫折しました。無念。
0621の大量殺人事件から世界隊での同級生組の日常、青柳俊の逃亡、世界隊解散騒動まで……
書きたかったなあ……
ファンボックスで読めます。そのうちサイトにも置きたいです。

おとハビ二章との違いは、鹿俣朸が生き延びること、藤崎海が青柳俊に恋慕を抱いていること、です。
もうそれほぼ全部違うじゃねえかと言われたらわりとそう。
解散騒動時の青柳俊の死にかた以外はけっこう変えていますね。
黒い猫のポジショニングとか……
村塚もおとハピだと青柳俊との接触はまったくありませんでしたが、出てきましたね。
四章に向けた伏線を仕込みたかったんです一章に。

没になってしまった……こんなに面白いのに……!
いつものことですね……。


・This dream for the world(新)

実は序盤数万字くらいけっこうしっかりと書いてあります。
ま〜た続かなかった。


・カンデラ

人間ばっかり書くの飽きたし無機物しか出てこない話書くか~!って思って書いたしっちゃかめっちゃかメルヘンSF掌編です。ノベプラにあります。
環のある岩石惑星の話です。物質やエネルギーがこの宇宙にはるばる巡っていることの話です。
思想が強い。


・見あパラ四章(序盤)

おかえりルーモ! フューレ!
本当にどこへ行っていたんだ!?
おとハピ時代からずっっっっっっとシリーズの根幹に居続け、さまざまなシリーズ作品でほのかに匂わせが仕込まれ、たびたび描かれもして、しかし、それでも、ここまではっきり彼らの顔や名前が出てくることはありませんでした。
おかえり!!!ルーモ!!!!お前の席は取ってあるよ!!いつものとこな!!!!!
という気持ちです。おかえりも何も、語られていなかっただけで最初からずっとそこにいますが。

これは無関係なぼやきですが、僕はルーモのことをビジュアルの無い浮遊思念体であると認識しすぎていたので、彼にキャラデザがあるという事実を受け入れるのにかなり時間がかかりました。三章完結直後に初描きしたんですけど。
お前、顔あったんか……!(???)
フューレはサイトの周年記念絵にほぼほぼ出席していたので見慣れておりOKOKという感じです。

で。
四章不死身組が「ああ」なるのは確か二章を書いていたくらいの頃にはもう確定していた展開です。
ルーモが四章でメインを張ること、に関してはもっと前から決まっていたんじゃなかったか。
二章書いた頃にフォロワーさんとのオフ会で「見あパラって四章で主人公交代するんですよね〜」って話をした覚えがあります。
さてはてどうなることやら。

……見あパラ、もしかして、終わるのか……?


・見あパラ一章(新)

かなり最近まで来ましたね。
いま書いています。

旧一章との違いは、
青空以外のキャラクター、特に篠くんの人間性が圧倒的に深みを増していること。
音楽という概念への解像度が上がっていること。
世界隊の話、歴史が垣間見えるように書いていること。
青空以外の視点も取り入れた群像劇方式にして話の全容が辿れるようにしていること。
「同一人物」「生まれ変わり」をかなり強調していること。
などです。他には展開自体もまあまあ変わっています。

旧一章よりも「高瀬青空の物語」感はかなり薄れています。
書きながら「美山篠のキャラが良すぎて青空が霞む、どうしよう」と言い続けています。
そこだけがちょっと心配というか心残りですね……。
僕は見あパラ読者の脳ミソに高瀬青空を焼き付けるためだけに生きてるのに…………(重い)

こうして、青空を描き足りない、という感覚が燻った結果にEverlastingがあるのかもしれませんね。


・seen

去年の6月くらいに書いたものです。
一章のifルートで、美山碧が死に、青空が居残った世界。
ひとりぼっちで遺された桧辰巳が死に損なって憎しみに駆られ青空を探し回り、たどり着くところから始まる、過激な内容の長め短編です。

十周年記念ブログにも書きましたがこれがあまりにも「良」すぎて以下の色々が生まれることになります。


・平和世界線

いつ投稿するか悩んでいます。去年秋ごろに書いていました。
見あパラ零章の世界で、津名戸倖貴が死なず、滅亡現象が起こらず、よって青空も日暮も不老不死にはならない。平和な世界で普通に歳を取っていく。
そんなifルートです。
ほぼほぼ津名戸倖貴と高瀬青空のラブコメ。たまに海間くん。
本当に朝の光が書いたのかと目を疑うくらい内容が少女漫画です。シリーズの痛切な雰囲気が好きだという読者には向いていません。青空や日暮がいればなんでもいい人向けです。でも原作リスペクト要素ももちろんしっかりあります。これぞ二次創作。
いつ投稿するか悩んでいます。なんかこう……なんでもない人生ってひたすらだらだらと続くから、区切りどころがなくて……
どこかで区切れたら投げますね!


・Everlasting

お疲れ様です。ようやく最新作にたどり着きました。
十年って長いですね。

XX時系列の高瀬青空側の話。
僕が見たい高瀬青空の幻覚をやたらと詰め込んだ短編連続形式の夢小説本です。
あなたの思い出の中にいる高瀬青空や、あなたを破滅に導く高瀬青空や、あなたが恋した高瀬青空や、あなたの傍にいてくれる高瀬青空や、あなたが信仰した高瀬青空や、あなたの友達の高瀬青空や、あなたが最期にみた高瀬青空などなど。
なんか気がついたら総計11万文字ありました。長編じゃん……

Blankの対になる作品で、すべてに逆張りしています。
表紙デザインにはじまり、全編を一人称視点で書くこと、シリーズに描かれたことの無い世界のことしか語らないこと、キャラの名前をしっかり出すこと、世界が滅ばないこと、きれいよりも汚いを主軸に書くこと、

全人類高瀬青空のことを好きになってくれという怨念で書きました。
連載中です。
楽しみにしていてください。
高瀬青空のことを好きになってください。高瀬青空はあなたのこと好きなので。
よろしくお願いします。



結論!
・十年は長い
・だいぶ創作うまくなった
・昔の作品も……好き!

そして、
これから書く予定の話

・This dream for the world(もし書く気が起きれば)
・四章(中盤以降)(必ず書きます)
・Dawnのつづき(たぶんゆっくりと書いたり書かなかったりします)

もうあとはこれだけ。
以上です。お疲れ様です!
それでは。
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