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徒然
くだらないこと。
興味あること。

目録
2010-01-09(土)
ねずの木

▼原題
Von dem Machandelboom


▼概要
百槇の話(びゃくしんのはなし)とも呼ばれる。
グリム童話の一つ。


▼あらすじ
 父親と母親と兄と妹が住んでいた。兄は先妻の子供であり、妹の実の母親から常に邪魔者扱いだったが、そんな境遇でも父に文句ひとつ言わず、妹にも優しかった。
 ある日、家に帰ってきた妹にリンゴを与えた母親は、兄にもあげてちょうだいとせがまれて、兄の殺人を思い立つ。少し遅れて帰宅した兄に母親は、箱からリンゴをひとつ取るように言って、兄が箱の中に首を突っ込んでるところに箱のふたを勢いよく閉めて、彼の首を切断してしまう。ふと我に返って後悔した母親は、他人が殺したように見せかけようと、首と胴体を白い布で巻いてつなげて、椅子に座らせる。
 そんな兄に話し掛けても、何の返事もしないことに腹を立てた妹は怒って彼の顔を叩くと、首がごろりと転がった。兄を殺してしまったと動転する妹を母親は慰めながら、兄の遺体を切り刻んでその肉を調理中のシチューに放り込んでしまう。やがて父親が帰宅して、今夜のシチューはうまいと何杯もおかわりをする。妹は泣きじゃくりながら、兄の骨をテーブルの下から集めて、それを絹のハンカチにくるんで、ねずの木の下に埋める。
 すると兄は美しい鳥に生まれ変わり、
   母さんが僕を殺した
   父さんは僕を食べてる
   妹が僕の骨を拾って
   絹でくるんで 
   ねずの木の下に埋める
という唄を美しい歌声で披露する。
 最初に唄ったのは金銀細工師の作業所。
「なんて美しい歌声!もう一度歌っておくれ!」と金銀細工師が言うと、 兄は「いいとも。でも、ただでは嫌だよ。その金の鎖をおくれ。」と言い、金の鎖を貰っう。この調子で今度は靴屋。もう一度唄うのを条件に赤い靴を手に入れる。そしてお次は粉ひき場。もう一度歌うのを条件に石臼を貰う。
 そして家にたどり着き、唄を唄う。父親が外へ出てみると、鳥は金の鎖を落とす。父親は「なんて親切な鳥なんだ!私にこんなに綺麗な金の鎖をくれた!」次に妹が出てくると、鳥は赤い靴を落とした。「お兄ちゃんが死んで、悲しくて仕方がなかったのに、急に楽しい気分になったわ!」と妹は大喜びで靴を履いた。すると母親が、「そんなもの貰ってはいけません!」と怒りながら飛び出してきた瞬間鳥は石臼を母親の上に落とした。
 大きな音がしたと、父親と妹が駆けつけると、そこには母親の姿はなく、死んだはずの男の子が立っていた。妹は「お兄ちゃん!」、友達の家に泊まっていたと思っていた父親は「なんだ、お前帰ったのか」と駆け寄り、何事もなかったように三人は帰っていった。
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