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あなたへの愛でこの両手は塞がってしまった


2011-08-05(金)
It gains for the kiss


キスしてくれたらイチマンエンあげますよ。
言った男の瞳はキラリと光る。ああ…悪い目だ。思うがその奥に見えた感情を見つけ出してはイラついた。できるもんならやってみなさいよ。そう言ってる。あの奥の金色はそう言っている。
上等だやったろうじゃねえか。生来の負けず嫌いがここでプライドと言う壁を作り上げた。
ベッドソファにゆったりと体を預けた浦原の上に乗り上げて顔を挟み込む様に両手を置き金色を睨み付ける。くく。喉元で押し殺した笑いにムカッ腹が立って噛み付いた。

「…痛い」

容赦なく口端に噛み付いたから少しだけ赤くなっている。非難の声を聞いて今度は一護がククと笑った。

「こんなのはキスには程遠い」
「これが俺のキスだよおっさん」
「フ。臆病者のキスだよガキ」

言われた事に対して互いに刻むのは眉間の皺。
一護が何か言いかけるよりも早く、今度は浦原が一護の唇へと噛み付いた。がぶり。そんな音が鳴っても可笑しくない程乱暴に獣臭く。
牙を立てた唇を癒す様に這わされた舌先は人間臭くて情熱的に熱い。フと吐いた息が浦原のナニかを燻っては劣情を焚きつけた。

「これが、キス。そしてこれが愛撫」

ぬろりと中に侵入した舌先が一護の舌を絡め取り前歯で甘く噛まれてじゅるりと吸われた。
くらりと目眩がひとつ。潤んだ瞳は甘い色彩を中心で溶かして理性をも崩壊させた。















この男はキスが非常に上手い


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