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不透明な愛を君へ贈る


2013-10-04(金)
スマイリーサーカス、どうぞ僕を殺して


その笑顔にぶっ殺された。
心臓がバクリと爆発したのを浦原喜助は生まれて初めて経験する。今迄、自分に向けられる類の笑顔とはちっとも比べ物にならないくらいの不恰好で不細工な笑顔だった。のにも関わらずだ、黒崎一護の笑顔は浦原の心臓を光の速さで貫いた。ご丁寧にも起爆装置を装備して貫いたのだから油断も隙もあったもんじゃない。
爆発してこっぱ微塵になりながらもドクドク動いた心臓を掴みながら浦原は怪我だらけの顔を物騒に睨む。

「怪我しちゃった」
「ざけてんスか?」
「アイツ等が喧嘩吹っかけてきたんだ!倍返しだけどな!」
「ふんぞり返らないで下さい」

口端の怪我が生々しくも痛々しい。それでも笑って見せる一護は沁みる傷の痛みにイテテと眉を下げる。でも笑う。何故笑う。笑える?
浦原が常に受けてきた笑顔は本人以上に胡散臭い笑顔だった、とここで過去の話しを持ち出してみる。どいつもこいつも恐怖を貼り付けて無理に浮かべた不細工な笑顔ばかり。嘘ばかりの笑顔に囲まれていた浦原が今、対峙するのは不器用でいて不恰好な痣だらけ怪我だらけの凸凹なスマイル。
手当てしますからおいで、と不機嫌面で浦原が降参すると一護は更に笑顔になる。
なんスか?問えばもう一度笑う。えへへ、あのな。

「俺な、お前が手当てしてくれんの好きなんだ」

困った様に眉を下げて照れて笑ったムードメイカー。
実はコイツ、手当てされたいが為に怪我してないか?疑うくらいには喧嘩の頻度が上がってきたコンニチ。
ハア、溜息を吐きながら業としみる様に手当てした。
笑顔に殺される。彼の笑顔に、心臓はわんわんと泣きっぱなしだ。













あんたのスマイルひとつで起爆スイッチはオンとなる


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