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不透明な愛を君へ贈る


2013-09-05(木)
(おはよう、恋人よ)

シーツの冷たさが肌に気持ち良い。
徐々に徐々にと覚醒し始めた脳内で浦原はうっそり思いながら腕を伸ばす。
シュ、シーツがそう唸った音と肌を滑るなめらかでうっすらと冷たい感触が目覚めには気持ち良い。
カーテンの隙間から射し込む日差しが温かくて、夜の冷たさを残す空気に漸く浦原の目はパチリと覚めた。

「モーニン」

瞼が開いたと同時にかかる声は低くて掠れているのになんだか温かい。
同じく寝そべったまま、浦原と対峙する琥珀色がくふりと微笑むのに対して浦原もフと笑ってみせた。
モーニン、小さく呟き返した自身の声も掠れている。それが少し可笑しかった。
隣で横になった恋人の肩へ腕を回して抱き寄せる。普段の数倍も素直になった彼は少しだけ眠そうに浦原の顎へとキスを贈った。

「起きてたんスか?」
「んー…少し前に」

起してくれればよかったのに。そう言えば胸元でクククと笑われたから少しだけくすぐったい気持ちになる。

「日曜の朝だ、のんびりしたい」
「確かに」

賛同して浦原からも小さなキスを贈る。
昨晩施したキスのいやらしさは微塵も感じられない小さな小さなキスだが、幸せだと感じるには充分すぎる程のキスだった。
忙しいフライデイまでの疲れがやっと取れたサンデイモーニング。この時間帯に起きれたなら身支度してどこかへ出かける事も可能だが、その気は二人にはない。
夜の冷たさと朝の爽やかさを含んだシーツの上で、二人で抱き合って過ごすのも悪くない。そう考えてまたキスを贈った。
気持ち良いな、小さな声で一護が言った。
ええ、凄く。浦原も、やはり小さな声でそう返して笑った。









気持ちの良い朝を、貴方と共に迎え入れる


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