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不透明な愛を君へ贈る

2013-09-03(火)
音の無い世界で、音の無い性行為を

音がない。キシキシとベッドが唸る音は聞こえる。互いの荒い息遣いも良く聞こえる。粘着質で卑猥な音も良く聞こえる。あ、外でサイレンが鳴った。けれどここには音が存在しない。
ぬちゅ、ぎし、キシ、は、はあ、
互いの息遣いと鼓動と温度とベッドの軋む音と卑猥な音が充満する寝室なのに、依然として変わらない無音状態を築き上げる。
音がない。
真っ白になった脳内、視界が映し出すのは浦原だけ。触れられる箇所と繋がる箇所と悦楽を与えんとする男だけが一護の中にだけ存在し、全ての音を吸収する。
音がない。
跨って腰を振るう子供を見て荒くなる呼吸音だけがリアルで掴んだ華奢な腰の未発達な筋肉をツツツーと撫でては子供の呼吸を乱す。たったそれだけに集中してしまう浦原の中に、音は存在しない。
サイレントラブ。どこかで聞いたセンスの悪いネーミングが今の二人にはお似合い。
キシキシと唸るベッドの音も、
乱れた呼吸も、
卑猥な音も、
夜の煩わしさだって、
浦原と一護の鼓膜には届かず、ただただ交じり合う温度と想いだけを小さく小さく響かせた。
ア、子供が嬉々する声が浦原の熱を更に上げる。








サイレントラブ

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