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雲雀日記(完結!)←一話更新7/18
2009-03-26(木)
長い春休み。



「行って来ます」

「行ってらっしゃいませ」


風紀の仕事の為、春休みに入ってからも学校に向かう私。


と言っても勿論、恭弥はいない。
彼がいない間は、私と草壁さんで主な仕事をこなしていた。



既に春休みに入ってまだ3,4日目。

2週間ほどの春休み。
いつもは短いと感じるそれがこんなにも長いなんて思わなかった。




「こんにちは」

「ああ、こんにちは。さっそくだがこの書類を頼みたい」

「わかりました」


書類整理をしてても、ちらりと見てしまう空席の椅子。


恭弥がそばにいてくれるだけで、仕事もなんだか楽しかったのに。


(………………はっ、仕事しなきゃ)


感傷に浸っている場合ではないと、作業に集中することにする。


小1時間ほどで終了したあとは、見回り開始。

並盛町を巡回して、危ない人たち、いけない人たちの指導をする。


…草壁さんにはこの仕事はしなくていいって言われたけど

やっぱり風紀委員としては
こういう仕事もしないといけないと思うと無理を頼んだ。


……外を歩くのって気分転換にもなるし、一応私も
少しだけなら闘える。

って言ってもあまり強くないんだけど


「あ」


そうこうしてる内に喫煙してらっしゃる並中生徒を発見。


「げ」

「おいお前ら」


向こうも私に気付いたみたいで慌てて煙草の火を消す。
でもばっちりみちゃった私は指導しないといけない。

相手は3人。



「えっと…違反なので取り締まります。
学年と名前を教えて下さい。」

「雲雀に言うのか?」

「…まあ」

あとで報告しますね。



「…ちっ……見逃してくれねえかなあ?」

「そうそう、たった一本吸ってただけだって」


そういった男子生徒の足元には既に8本以上の吸殻。
嘘ってみえみえだ。



「…違反なので学年と名前を」

「おい人の話きいてんのかよ、黙って見逃せっつってんだろーが」


出ました、逆切れ。
…恭弥も大変だなー、こういう人相手に注意して制裁して色々。


「それはできません。…大人しく教えてくれないと困ります。」


「困ったらどうだってんだよ!!」

「おいお前ら、しょうがねえよ。
力づくでも黙っててもらうしかねえようだな。」

「ああそういうことか。そうだな、へへ」

「……あとで雲雀さんに言いつけますよ」

(ギクッ)


雲雀の言葉に3人ともがたじろいだ。
おお、雲雀効果!





「…ちっ……行くぞ」

結局、名前と学年をふてぶてしく告げた彼らは去っていった。

よかった、闘いにならなくて。


(……はぁ)

でも疲れるんだね、見回りも。


……疲れてるのは、精神的なものが原因だけど。


(……元気にしてるかな…)

できるなら春休みあける前に会いたいと思うのは勝手な願いだろうか。



元々、私と一緒に住むために作ってくれた家で過ごして約1年。

…長いようであっという間に過ぎていった一年。


(…今でも恭弥は、私のことを好きかな?)


そんな思いを心に浮かべては彼の笑顔が私の頬を赤くする。





私、恭弥のこと大好きだよ。




むしょうに会って伝えたくなる言葉も、今はただ心に閉じ込めるだけ。


…早く、会いたい。





巡回して学校を出たあとの帰り道、私は複雑な思いで
家に帰ったので


「お前、人参買ってくるんじゃなかったか?」

「!はっ!!すっかり!」

「忘れてたのかよ…はぁ」


もう一度慌てて家を出ました。


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君は、僕のものだよ。…嬉しい?(by雲雀)
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