[携帯モード] [URL送信]

MEMO 妄想やらネタやら
2009-07-07(火)
足りない部分を埋めてください。(刹ティエ)



刹那は展望室で外を眺めるティエリアの横に、窓を背にするように立った。
何も言わずにティエリアは外を眺め続ける。星の数でも数えているのだろうかと思うくらいにじっと。

そんなティエリアから目を逸らし、まっすぐ前の展望室のドアを見つめた。刹那の肩に、黒紫の癖のない髪がかかった。


「本当に、背が伸びた」
「お前は変わらないな」
「みんなに言われる」


ティエリアはそういうと、確かめるように刹那の胸に顔を埋めた。


「君の匂いがする」


言葉を返す代わりに、刹那はティエリアを抱きしめた。




足りないものがあるなら、こんなことで満たされるなら、いくらでも縋ればいい。
刹那は思った。
むしろそうしてくれた方がいい。
彼が残してくれたものをティエリアに見出して自身を慰めるのは、刹那とて同じことなのだから。





足りない部分を埋めてください。



[最近][過去#]
[戻る]

無料HPエムペ!