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武田家の日常  武田さん家の日常風景です。大体季節小ネタ。 半分はやさしさ、あとの半分は汗と涙でできております。
2010-02-03(水)
追いつけぬのは、豆の数。

「旦那そっちだ、庭の方に行った!」
「佐助、任せておけ!」

幸村と佐助は碇に乗って走り回る“その男”に大量の“飛礫”を浴びせた。

「鬼はー外!福はー内!」


「長曾我部殿、遠路遥々よくぞいらしてくださった。」

「まあ・・・今年は俺の当番だからしょうがねぇ。西海の“鬼”を名乗っている以上は、鬼の行事には喜んで参加してやるよ。」
佐助は鬼役を演じきった元親に茶を入れ差し出した。
「おう、ありがてえ。」
「去年の“鬼”島津の時は鬼役が張り切り過ぎてて大変だったよね。」
「来年は“紅蓮の鬼”あんたの番じゃねえか、紅い兄さん。期待してるぜ!」
「うむ!この幸村、立派に鬼を務めてみせますぞ!」


「はい、鬼退治のご褒美。一緒に豆食べよう。長曾我部の旦那もどうぞ。」

「ひーふーみー・・・・・・・・・・・・十七!去年より一粒多い!・・・はっ!長曾我部殿は某より五つも多いのでござるな・・・。
・・・佐助は俺より六つ多い・・・。」
「だーかーらー、毎年言ってるけど年の数だけ食べるんだって。」
「むう・・・。では、俺はいつまでも佐助の数には追いつけぬのだな・・・。」
豆を摘みながらしょげる幸村に佐助は苦笑した。
「・・・旦那。」

佐助は自分の豆を一つ掴み、幸村の口の中に入れた。

・・・・・・・・・ごくん。

「お、俺は別に豆が欲しくて言った訳では・・・!」
「えー?もの凄く欲しそうな言い方だったけど?」
「ち、違う!その位我慢出来る・・・!」

幸村はお返しに佐助の口に豆を突っ込んだ。

「ふーん旦那も大人になったもんだね。昔は豆の数が少なくてびーびー泣いてたのに。」
ポリポリと入れられた物をかじりながら、再度幸村の口に豆を入れる。

「それは小さい時の話であろう!」
すると幸村はむきになって佐助の口にまた豆を押し込んだ。


そんな主従のやりとりが暫く続いて。


「・・・おいあんたら、俺の存在忘れてんだろ・・・。」
独りさみしく豆を摘む元親であった。



「追いつけぬのは、豆の数。」へのコメント

By 元親
2010-03-17 00:00
>雛神楽 (様)
さ・・・淋しいだぁ?・・・そんなこたぁ・・・別にねえ・・・よ・・・。もぐもぐ。ただ、あんたが一緒にいてくれるってんなら、別に悪かねえかもな。

pc
By 雛神楽
2010-03-16 21:02
元親さまっ、寂しかったらどうか、
私と豆を食べて頂けませんかっ……?
pc
By 佐助
2010-02-11 21:11
>葵南ちゃん

え?長曾我部の旦那・・・?あ、すっかり忘れてた・・・。

節分の豆嫌いなんだ?
でも、俺様からだったら食べてくれるんだ。なんだか嬉しいね。
じゃあ君も、俺様の口に入れてくれる・・・?

pc
By 葵南
2010-02-03 23:57
食べさせ合い、
なんて可愛いことを…(´∀`*)

アニキ忘れられておりますけど…\(^o^)/

その雰囲気もまた
ほんわかしてて良い!


佐助に食べさせてもらえたら
嫌いな節分の豆も
食べられそうな気がします((笑
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