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日記
2012-01-19(木)


あ、雨だ。


ぽつぽつ降り始めたと思ったら滝のように降り出した。滝修行は阿含さんに滝壺に投げられた時だけで充分だ。

ちくしょう鬼タイミング悪い。今日は晴れだと聞いて傘を持ってこなかった。

バシャバシャと大雨の中を走ると前方に見慣れた制服が目に入った。


(あれは…)


「阿含さーん」

大きく手を振れば阿含さんはサングラスごしにこちらに視線をよこした、と思う。


「阿含さんも傘ないんすか?」

ばちゃばちゃと音をたてて阿含さんの前まで行くと、頬が赤いのがよく見えた。こんな豪雨の中でさえ。


「ああ、」

思わずこうなったいきさつが分かってしまって言葉がポロリと出てしまった。

ギロリと睨まれて慌てて「や、いや、その」と言葉を濁す。


「…このまま帰ったらまた雲子がうるせぇから時間潰してから帰る」
「あっ帰るんすか」


てっきりどこか別の「物件」に泊まるのかと思っていた。確かにその頬だと雲水さんは怒って拳を振り上げそうだ。


「お前も付き合え」

え、と思ったときには首根っこを掴まれて引きずられていた。

「…仕方ないっすね」
「後で覚えてろよカス」
ぱ、と離された首根っこによろける。そしてスタスタ歩き出す阿含さん。

大雨の中俺はすがすがしい気分で阿含さんの後を追った。

二人分のバシャバシャという水音が、心地よかった。






雲水のことが好きな阿含とそれをひしひしと感じながらもそれより阿含と一緒にいれることが嬉しい一休
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