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SS×Short Short
2009-12-03(木)
君ヲ想フ―TRC―




自分





『貴方が…す…―――』


きっとあの続きは 記憶の中の自分が 聞きたかった言葉

記憶の中の自分が 聞きたくて 言えなくて 聞けなかった言葉

そして今の自分も 聞きたいと思う 言葉


記憶の自分は ただ彼女のためだけに 走っていたのに

今の自分は ただ動かされる駒のひとつ 手を血で汚した



分からない 自分はどうやって 彼女に触れたらいいのか

分からない 胸を突き刺す痛みは 何なのか

分からない 彼女が想うのは 今の自分なのか

分からない あの言葉は 自分のものにしていいのか



水たまりに映る 自分の姿

記憶を頼りに口を動かしても 記憶とは似つかない 冷たい笑顔

お前に会えたら おれも記憶のように あんな風に笑えるのだろうか





「―――サクラ…」







君ヲ想フ
(俺はどんな風に お前に笑っていたのだろう)






――――――――
ツバサ終了記念ということで作成しましたが・・・超短文だったのでこちらにUP。
記憶を通して元の自分やさくらを想う…というシーンを書きたかった。
記憶、心=魂と扱うツバサ世界では、一回記憶をなくしたり心をなくした写身達は、記憶や心があったときの自分と今の自分にギャップを感じて考えてしまうのではないかな、と思って書きました。
ホントは日本国〜クロウ国の間の写身君の行動を小説にしようと思って書いたものの一部です。
考えがあるうちに書きたいです。

「君ヲ想フ―TRC―」へのコメント

By ツバサ
2009-12-15 14:59
はじめまして。はじめて書かせていただきます。
とうとうツバサの連載も終わってしまいましたね。
写し身の小狼達にも幸せになってほしかったんですが・・・。
この小狼の想いがとても伝わってきて心にしみました。これからもこういうのが読みたいなと思っています。これからもがんばってください。
おきにさわることが書いてありましたらごめんなさい・・・
pc
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