名前変換無極短小説
※狂・グロ・微裏…含有※
shortの小ネタになるので内容が被ることがあります
2011-07-26(火)
意外と恋って綺麗じゃないな(↓続でヒビキ)
「なんて言うか…女じゃないけど、恋ってもっと綺麗なもんだと思ってました」
ヒビキくんの呟きにわたしは震えた。そう、わたしの恋は綺麗なんかじゃない。汚くて、醜い。わかっていたけど、じゅんすいに慕ってくれていた後輩に言われると堪えた。
「好きなやつが幸せならそれでいいってそう願うもんかと…」
そう、だね…。なのにわたしときたら幸せそうな彼を見て一瞬でも酷いことを願ってしまった。
壊れてしまえばいい、と。
そう思ってしまった時の絶望、自分への嫌悪。本当に、わたしはレッドくんにすら想われる価値がないのだ。
「わたし、も…そう、思ってた…。でも、壊れてしまえば、いいっ、て…っわたし、は、レッドくんに想って、もらえ、る、女じゃない…」
溢れる涙を堪えようと言葉を紡ぐと息が苦しい。やっとそう絞りだしたら、ヒビキくんがキョトンとした表情になった。
「え、何でレッドさんが出てくるんですか?」
「な、何でって…っ」
あーもう泣かないでくださいよとヒビキくんがハンカチを押しつけてきた。アイロンをあてられた綺麗なストライプの青いハンカチだ。
「まさか先輩、レッドさんのこと…」
ヒビキくんが眉を寄せて詰め寄ってきた。違う、わたしが好きなのは…と続けるとヒビキくんは安心したように息を吐いた。
「それならいいんですよ。それなら、ね」
何がいいのかわからない。そう呟くとヒビキくんは「先輩は分かんなくていいの」と言われた。
「まぁ俺はそんな先輩が好きですよ」
ニコッと笑ったヒビキくんの笑顔は綺麗で、わたしもヒビキくんみたいにじゅんすいになりたいなと思った。
(今は俺を好きになんなくてもいいけど、他の誰かのものになるのだけは許さない。まぁそれにしても…)
意外と恋って綺麗じゃないな。
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