memo
2015-05-23(土)
夜の狭間
触れたのは、たった一瞬。
けれど、その刹那をひどく後悔した。
こんなにも離れ難くなるなんて。
彼の唇に移った紅色を指で拭えば、その手を掴まれて彼の舌先が触れる。
苦味にか、形の良い眉が僅かに歪んだ。
人影も疎らなプラットホーム。居るのは、疲れた顔で携帯電話に見入るサラリーマンかうつらうつらと舟を漕ぐ酔っ払いくらい。
その静けさに、まるで世界にふたりきりになったような錯覚を覚える。
「レン」
ホームに入り込む電車、吹き込む風。その轟音の狭間で名を呼ぶ。
「…電車」
「うん」
扉が開いても、彼は動かない。
動けない。
「…終電だよ?」
促しても、彼の袖を掴んで離さないのは自分の方だ。
動かない。
動けない。
絡んだままの視線すら。
「うん」
立ち尽くしたままのふたりを置き去りに、最終電車は夜の闇へと進んでゆく。
「……電車、行っちゃったよ」
「うん」
冷たい手が、頬を引き寄せた。壊れ物に触れるような手付きに、胸の奥が甘く締め付けられる。
置き去りになった夜の片隅で、もう一度キスをした。
* * *
歌の歌詞みたいなシチュエーション目指してみました。
電車で会いに行く系レンリン。
ホームなので駅員さんの目がありそうですが、そこは空気を読んで頂いて。笑
寧ろ私が駅員さんになって遠くからあたたかい目で見守りつつ盗撮したい。出来ることならリンちゃんの家まで尾けたい。
また間が空いてすみません……!!
ちゃんと生きてますよー!元気です。
…いや、元気でもないですかね。……足を捻挫致しまして。歩き慣れた家の前で、ほんの3〜4cmの段差で、履き慣れた仕事用のスニーカーで、グギっと……。本当、馬鹿としか言いようがないです。誰か馬鹿と罵ってやってください……!!
これからもうちょっと余裕が出てくる(はず)なので、更新頻度を戻せるように頑張りたいです…。
頑張ります……!
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