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Letter without addressing
2006-07-01(土)
最後だとわかっていたら

あなたが眠りにつくのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはもっとちゃんとカバーをかけて、神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう

あなたがドアを出て行くのを見るのが最後だとわかっていたら
わたしはあなたを抱きしめてキスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて抱きしめただろう

あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが、最後だとわかっていたら
わたしはその一部始終をビデオにとって毎日繰り返し見ただろう

確かにいつも明日はやってくる。
見過ごしたことも取り返せる。
やりまちがえたこともやり直す機会が、いつも与えられている

「あなたを愛している」と言うことはいつだってできるし
「何か手伝おうか?」と声をかけることもいつだってできる

でも、もしそれがわたしの勘違いで、今日で全てが終わるとしたら
わたしは、今日どんなにあなたを愛しているか伝えたい

そして私達は、忘れないようにしたい
若い人にも年老いた人にも明日は誰にも約束されていないのだということを

愛する人を抱きしめるのは今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら

今日でもいいはず

もし明日がこないとしたらあなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや抱擁やキスをするためのほんのちょっとの時間を、どうして惜しんだのかと

忙しさを理由にその人の最後の願いとなってしまったことを
どうしてしてあげられなかったのかと

だから、今日あなたの大切な人たちをしっかりと抱きしめよう
そして、その人を愛していること
いつでも、いつまでも大切な存在だと言うことをそっと伝えよう

「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を伝える時を持とう
そうすれば、もし明日が来ないとしてもあなたは今日を後悔しないだろうから

神様からいただいた今日一日を精一杯生かされてゆきたいと願います


同時多発テロの時に消防士として救助のためビルに突入した中の一人が生前に書いたものです。
まるで居なくなるのがわかってたような詩ですね。
すこし、感動したので載せました。


ローラ・ホートン29歳
未だに行方不明


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