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コラム

2010-01-30(土)
ササ雑学


石井利夫

ササはイネ科に属し、木の仲間に入れられています。しかし普通の木とはかなり違った性質を持っています。
普通、木の仲間は、種から芽を出して、毎年少しずつでも成長します。ところが竹の仲間は、筍が出て10日から2週間で成長してしまい、その後は太さも高さも変わりません。このため、木本、草本のほかに、竹本として、別に扱う説を唱える学者もいるほどです。

イネ科は草本・木本ともに稈(カン、茎)は中空です。イネ科は全世界に広く分布し、700属、8000種以上あるといわれています。このなかのタケ・ササの仲間は分類学上未解決の問題が多く、属や種の認識も学者によりまちまちです。日本には次の12属があります。

[ホウライチク属] [オカメザサ続] [マダケ属] [シホウチク属] [トウチク属] [ナリヒラダケ属] [カンチク属] [メダケ属] [ヤダケ属] [スズタケ属] [アズマザサ属] [ササ属]


【ササ属】
1) ミヤコザサ Sasa nipponica
学名にあるように日本固有種で、根元で2・3回分枝し上部では枝をだしません。
葉は冬季に縁が白く枯れることが多く、翌年の夏にはすべて更新します。北海道、本州、四国、九州に生えます。

2) チマキザサ 北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、千島南部、樺太に生育し、チマキを巻いたり、寿司の飾りに使われたりします。

3) クマザサ 京都府の一部の山中に自生する、比較的珍しいササで、冬季、葉の緑が白く隈どられて、美しいので庭園などに植えられます。

4) アマギザサ 本州(関東地方以西)、四国に分布します。

5) チシマザサ 北海道、本州(鳥取県以北の日本海側)、千島、樺太に分布します。この筍が「笹子」「ネマガリダケ」として珍重されます。

6) ナンブスズ 本州の山地に自生しますが、ハコネスズ、ゴテンバザサ、シブタミザサ、ヤマトザサ等いろいろな呼び名があり、少しずつ違うようです。

甘利山にはミヤコザサとナンブスズが生えています。ミヤコザサは初め横に伸びてそれから立ち上がるので、機械で刈りにくくこまります。また場所により、太く背の高いもの、低いもの、細いもの、いろいろです。毎年刈っていると、根の栄養が少なくなるのか、太いものは出なくなります。
根に養分をためないためには、7・8月頃刈るのが良いのでしょうが、この頃には沢山の草が花をつけていて、刈りにくいのです。
タケ・ササ亜科は花を付けると一斉に枯れるといわれます。これは根が普通の木の幹に相当するので、共通の根から出たタケ・ササはすべて枯れると考えられるからです。30年説、60年説等ありますが、120年説が定説のようです。明治以後、30年・60年の確認はないようです。

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